2017年5月26日 (金)

官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に 日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説

官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に 日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説
元文科省事務次官である前川喜平氏のインタビューを、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が掲載したことを受けて、今朝の朝日新聞朝刊も前川氏のインタビューを一面トップほか大々的に掲載。毎日新聞も社会面で大きく取り上げ、そのなかで「文書は本物」とする前川証言を紹介した。また、昨晩の『NEWS23』(TBS)は、前川氏のインタビューを今晩放送することを予告した。

 本サイトは昨日、前川氏の自宅前にマスコミが殺到している一方で、官邸が上層部から官邸記者にいたるまで恫喝をかけまくっていることを伝えたが、その圧力をこれらのメディアは撥ね返したといえよう。

 だが、今回の前川証言に対する安倍首相はじめ官邸の焦りと怒りは凄まじいものだ。安倍首相は昨晩、赤坂の日本料理店「古母里」でテレビ朝日の早河洋会長と篠塚浩報道局長と会食。報道局長まで呼びつけていることからも、報道に対する牽制があったことはあきらかだ。

 剥き出しの圧力をかけられたテレ朝だが、しかし、今朝の『羽鳥慎一モーニングショー』では、「週刊文春」に掲載された前川証言と、「週刊新潮」の報道を取り上げた。

 番組ではまず、前川氏の「出会い系バー通い」を紹介した上で、「週刊新潮」による「官邸は前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させた」「“報復”するとともに口封じに動いた」という内容に踏み込んだ。司会の羽鳥が「これはどうなんですか?」と尋ねると、ゲスト出演したテレ朝の細川隆三・政治部デスクは歯切れ悪くこのように述べた。

「官邸にはいろんな人がいて、この問題にふれるととにかくカリカリしちゃって、興奮する方もいらっしゃるし、逆にこの問題は触ってはいかんと、触らないようにシカトしようとする人もいますし、とにかくこれは内閣の問題じゃなくて個人の問題、とんでもない人がやっているんですよとさらけ出すのがいいんじゃないかっていう人もいるんです」

「官邸による報復なのか?」という羽鳥の問いに対する答えにまったくなっていないが、いかに官邸が記者にプレッシャーをかけているのかが垣間見えるコメントではあるだろう。

 だが、ここでレギュラーコメンテーターの玉川徹が、読売新聞の報道に言及。「現役の官僚でもない前の事務次官の、違法でもない話を一面にもってくるバリューが、加計学園にかかわらないんだとしたらどこにあるのか」「ものすごく疑問」と言い、こう畳みかけた。

「安倍総理は自分が語る代わりに『読売新聞を熟読してくれ』っていう関係ですしね。やっぱり権力に対して批判的な目を向けるっていうのがジャーナリズムだと私はずっと思っていままで仕事してきたんですけど、こういう一連の読売新聞のあり方って、政治部的な感覚から見て、細川さん、これどうなんですかね?」

 ごくごく真っ当な指摘だが、これに細川政治部デスクは「いや、だから、(読売の今回の報道は)めずらしいですよね」と返すのが精一杯。だが、テレ朝は『モーニングショー』だけではなく、『ワイド!スクランブル』でも番組トップと第2部で報道し、前川氏の下半身スキャンダルについて“官邸のイメージ操作では”と言及。前川証言と下半身スキャンダルという“両論併記”の報道ながら、しかも総理直々に“圧力”がくわえられたなかで、官邸の読売を使った報復と、読売の姿勢に論及した点は、勇気あるものだったと言えるだろう。

 また、朝の『とくダネ!』と昼の『バイキング』では前川証言を無視したフジテレビも、『直撃LIVE グッディ!』ではしっかり取り上げた。

 しかも、菅義偉官房長官が会見で「(前川氏は)地位に恋々としがみついていた」などと人格攻撃したことに対し、ゲストの「尾木ママ」こと尾木直樹は「ぼくら教育関係者はみなさん信頼しているし、絶大な人気者。気さくで威張らないし、官僚的ではない。慕っている人も多いですね」と反論。元文科省官僚である寺脇研も「(菅官房長官の言葉とは)全然別の話を省内で聞いている。『みんな残って下さい』と下の者は思っていたけど、(前川氏は)『自分は最高責任者として全責任は自分にあるんだから辞めなくちゃいけない』と言っていた」「(前川氏が)辞めた日、省内には涙を流した者も相当数いたみたいですね」と、菅義偉官房の発言は官邸お得意の印象操作である見方を示した。

 さらに、『グッディ!』でも、一連の文書の出所が前川氏だと官邸が睨み、出会い系バー通い報道をリークしたとする「週刊新潮」の記事にふれ、問題の出会い系バーを取材。だが、コメンテーターの編集者・軍地彩弓は「(前川氏は)脇が甘いと言われてもしょうがないけど、人格否定と今回のことを一緒にするのはやめてほしい。わたしたちが見てても、この話がくることによって撹乱されているように思っちゃうので、分けて話をしたい」と指摘。尾木も「(出会い系バー通いは)まずかった」としながらも、「このことで文書の問題をチャラにしてほしくない。分けて考えないと」と語った。MCの安藤優子も「前川さんの人間性と証言の信憑性を混同させようという動きがあるが、別の話」と番組冒頭から、何度も繰り返していた。

 このように、官邸から恫喝を受けながら踏ん張ったメディアがある一方、露骨に避けた番組もある。たとえば、すでに前川氏にインタビューを行い、本日夜の『NEWS23』でその模様を流す予定のTBSは、朝の『あさチャン!』や昼前の『JNNニュース』で「怪文書じゃない」という前川氏の証言映像を大きく取り上げたが、『ビビット』ではほんのわずかでスタジオ受けもなく終了。『ひるおび!』でも11時台の新聞チェックのコーナーで扱っただけだった。

また、NHK日本テレビも露骨だ。朝のニュース・情報番組では前述したTBSの『あさチャン』のほか、『グッド!モーニング』(テレ朝)『めざましテレビ』(フジテレビ)も朝日新聞を紹介するかたちで前川氏の証言を取り上げたが、NHK『おはよう日本』と日テレの『ZIP!』は一切ふれず。NHKは12時からのニュースで、国会で松野博一文科相が「すでに辞職した方の発言なので、コメントする立場にない」と答弁したことをさらっと伝えたのみで、日テレも『スッキリ!!』では無視、昼前の『NNNストレイトニュース』と『情報ライブ ミヤネ屋』のニュース枠で少しふれただけだ。

 いや、露骨といえば、ご存じ“安倍政権応援団”である田崎史郎の解説だろう。昨晩の『ユアタイム』(フジ)に出演した田崎は、前川氏について「“ミスター文科省”と表現するけど官邸の見方はまったく違っていて、“最悪の次官だった”っていう認識なんですよ」と前川氏をバッシング。挙げ句、「文書を持ち出したとしたら、これ自体が国家公務員違法になるんじゃないかと言う方もいて。当面無視していくスタンスですね」と、またも官邸の方針を垂れ流した。この詭弁には、番組キャスターの市川紗椰も呆れ果てたように「え、無視って後ろ向きの態度を取られると、やっぱり何かあるんじゃないかなと思いますし、政府から調査するべきだと思うんですけどね」とコメント。田崎はやや狼狽えつつも、「文科省の役人が勝手につくったメモ」と断言したのだった。

 官邸の恫喝に負けなかったメディアと、官邸の言いなりになったメディアが鮮明になった、今回の前川証言。しかし、きょうの報道だけで、加計学園問題は終わりではない。本日夕方16時より前川氏が記者会見を行い、証人喚問の要請があれば応じる意志を表明した。安倍政権の「行政文書じゃない」などというごまかしで済まされる話ではない。政権の下部組織と化したNHKと読売系以外のマスコミには、官邸の圧力に負けることなくさらなる追及を期待したい。

(以上、RITERAより転載 了)

2017年5月25日 (木)

創価学会に未来はあるのか?

ある学会三世の方が創価学会を「戦後日本の最大の社会実験」として、自身を「モルモット」と呼んだ。
考えると、戦後の日本で一番大きな集団化した組織は創価学会だったかもしれない。
しかし今、創価学会は「今まで通り」でなくなっているのかもしれない。
一つは宗教として見た時、創価学会の教義とはどのようなものか、となるとこの数年でかなり変質している。
それは会則の改定を毎年のように繰り返していることにも表れている。
そして、毎日の勤行で読む経本にも表れている。
質問形式で挙げてみる。
1.創価学会の本尊は何か?
2.創価学会が唯一無二・絶対としてきた大石寺に安置する「大御本尊」を本尊とするのか?
3.日蓮本仏論は今後も堅持するのか?
4.大石寺に安置する「大御本尊」を日蓮大聖人の「出世の本懐」とするのか?
5.「創価学会仏」なる教義を新たに打ち出し、会則にも盛り込んだと聖教新聞でだした。そこで、創価学会という団体が仏として「創価学会仏」として未来の経典に書かれるとするものであるが、「未来の経典」とは何か?法華経など既存の仏教経典でない経典が将来新たに出現するのか?そして、「未来の経典」ということはそれを説く仏とは、創価学会が末法の御本仏とする日蓮大聖人でない新たな仏が出現するということなのか?そして、創価学会では御書第一とするならば「創価学会仏」なるものの文証はどこにあるのか?
教義を創価学会は変えながらも、このような問題を解決しているとは思えないのだ。

シュレッダー係の男性、復職=アリさん引越社訴訟で和解-東京地裁

シュレッダー係の男性、復職=アリさん引越社訴訟で和解-東京地裁

                      

 「アリさんマーク」で知られる引越社関東(東京)の男性社員(35)が営業職からシュレッダー係へ不当に異動させられ、同社に地位確認などを求めた訴訟は24日、東京地裁(吉田徹裁判長)で和解が成立した。同社が男性に謝罪し営業職に復職させるなどの内容で、男性の代理人弁護士らが同日、厚生労働省内で記者会見し「全面勝利の和解」と評価した。
 男性は2015年、業務中に起こした事故への弁償を求められたことで労働組合プレカリアートユニオンに加入したが、同6月に一日中書類を細断するシュレッダー係に異動。同8月には訴訟提起で会社を中傷したとして懲戒解雇を言い渡されたほか、顔写真入りの「罪状ペーパー」が全支店や社内報に掲載された。解雇は間もなく撤回されたものの待遇は改善されず、復職や名誉毀損(きそん)による損害賠償などを求めていた。
 和解条項は、元の賃金条件で6月1日に営業職へ復職▽配置換えや解雇、罪状ペーパーの貼り出しを謝罪▽謝罪文の掲載▽解決金の支払い-など。男性はこの日もシュレッダー業務に就いており、昼休み中に電話で「ほっとしている。まだ表に出ていない問題があり、改善していきたい」と訴えた。支援した同組合の清水直子執行委員長は「理不尽を強いるブラック企業で闘えば変えていけると示した」と語った。 

(以上、転載了)

ネットではこのニュースをめぐり、この男性社員に対して「こんな会社にこだわることはないではないか」という意見も結構あった。

そのような意見もあるだろう。

しかし、個人差がある問題であるが、職場を失うことには徹底的に抗したい、理不尽なことには徹底的に抗したいという思いの方もいるのだ。

それを「別の職場を探せばいい」というのは、それは単に自分の思いだけでしかない。

人それぞれの思いがあるということなのだ。

 

2017年5月15日 (月)

創価学会員50人に聞いた 「あなたは共謀罪に賛成ですか」

創価学会員50人に聞いた 「あなたは共謀罪に賛成ですか」

             
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                                                 内心を罰することから、平成の治安維持法ともいわれる「共謀罪」。戦時中、創価学会初代会長の牧口常三郎氏と、2代目会長の戸田城聖氏は、治安維持法違反で投獄され、牧口氏は終戦直前に獄死した。

 支持団体がそんな歴史を持つのに、公明党は自民と維新とタッグを組んで、18日に共謀罪の衆院採決を強行する気だ。創価学会の人々は共謀罪をどう見ているのか――。本紙記者は12日、創価学会総本部をはじめ、関連施設が集中するJR信濃町駅周辺で、学会員を直撃。20~80代の男女50人(男18人、女32人)から回答を得た。

■「皆、ピンときていない」

「中身がよく分かりません。公明党は賛成しているのですか」(50代女性)、「知らん。興味ない」(60代男性)、「名前は聞いたことがある」(20代男性)。


 意外にも圧倒的多数は「分からない」で、38人にも上る。熱心な選挙運動を展開する学会員にしては、あまりにも“ノンポリ”である。

「外からは学会は“一枚岩”に見えるでしょうが、左から右までいろんな人がおり、政治テーマを常に散々議論しています。一昨年の安保法案は、戦争に関係する話で婦人部も敏感でした。私も時間がかかったが、公明党の説明を何とか納得した。ただ、共謀罪は学会内で話題にすらなっていない。テロ対策など自分には関係ないと思っていて、皆、ピンときていない。私も詳細を知りません」(60代男性)

 賛否を鮮明にした人のうち、「TOC条約に加盟して、国際的にテロ対策をできるようにすべき」(70代男性)、「五輪もある」(40代女性)など賛成は7人。一方、「対象がテロ以外にも広がりそう」(30代男性)、「もっと議論すべき。今国会で成立させる必要はない」(70代男性)など慎重派は4人いた。

 そんな中、断固反対が1人いた。戦前生まれの80代男性だ。

「共謀罪は絶対ダメだ。ちょっとでも怪しい国民を見つけたら、憲兵や特高がやってきて捕まえる。やりたい放題です。私は小さかったが、当時の雰囲気を今でも覚えていますよ。牧口、戸田先生だけではない。ほとんどの宗教は治安維持法でやられました。若い人には分からないのでしょうか」

 やりきれない表情でそう嘆いていた。創価学会内が“圧倒的無関心”の中、共謀罪は成立しようとしている。牧口初代会長は草葉の陰で何を思うだろうか。

(以上、日刊ゲンダイデジタルより転載 了)

正直、ここまで創価学会員が政治問題に疎いというのか無関心とは思わなかったです。

選挙になるたびに、もうそれこそ年賀状のやりとりさえも無いようなご無沙汰な人にも「お久しぶり、元気?」から始まって、「今度の選挙で、公明党の〇〇さんが立候補しているから投票をお願いします。」と電話を掛けてきて、選挙が終わるとそれっきり。そして、また選挙になるとそんな不義理をしておきながら、また同じことを頼む。

そういうことをしてまで創価学会員の皆さんは友人や知人だけでなく、学校の同窓生や先輩・後輩、学校のときの先生にまで投票を頼みます。

それなのに、公明党の政策は何か、今、公明党は何をしようとしているのかとなると無関心というのはあまりのことです。

たとえるならば、自分が食べて美味しいのか不味いのか、体に良いのか悪いのか、得なのか損なのかを確かめもせずに平気に他人に買うように、食べるように、使うように勧めるようなものです。

そういうのを世間では「無責任」というのではありませんか。

テロ等準備罪なる共謀罪がいかなるものなのか、本当に反対派が言うように危険性はないのか、国民生活の安寧のために本当に役に立つのか、そういうことに関心を持たずに、「公明党だから」、それだけで創価学会員でない人達に投票を頼むなど「迷惑」でしかありません。

公明党の議員への投票を頼むならば、公明党の議員が今何をしようとしているのか、そういう他人に勧めた責任として政治に関心をもつべきではありませんか。

創価学会の初代会長・牧口氏や、二代会長・戸田氏が治安維持法と不敬罪で逮捕、投獄され、牧口氏は獄死しているのではありませんか。

現代の治安維持法とも言われるテロ等準備罪なる共謀罪に、普通創価学会員だったら生理的に、直感的に警戒心や嫌悪感をもつべきところでありましょう。

そして、三代会長の池田氏は、それを踏まえて、「権力を厳しく監視せよ」などと言ったのではありませんか。

創価学会員のみなさんはそうした歴史や会長の言葉をふっ飛ばして、自分を思考停止にしているのと違いますか。

他人に投票を頼む以上は責任をもちましょう。ごく普通のことです。

たとえば、自分が保証人になりもしないのに、「〇〇さんにお金を貸してよ」と頼むようなものですから。

2017年5月10日 (水)

憲法70年 安倍政権の改憲論議

憲法70年 安倍政権の改憲論議=倉重篤郎(編集編成局)

 

憲法施行70周年の記念式であいさつする安倍晋三首相。登壇者は(左から)寺田逸郎・最高裁長官、大島理森・衆院議長、伊達忠一・参院議長=東京都千代田区の憲政記念館で4月26日、中村藍撮影

    「木を見て森を見ず」の愚

     日本国憲法といえば、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義が三大原則だ。数十年前に私たちが義務教育で何度も教え込まれたことだし、いまだに教科書にはそう書いてある。国会論議でも、思想信条に関わりなく三大原則を否定する者はいない。「この三つの普遍的価値を心に刻み、新しい時代の……」。安倍晋三首相も4月26日の憲法施行70周年記念式でこう強調した。改憲論者の常とう句である。

         だが待てよ、である。安倍政権の約4年半を振り返ると、この三大原則が心に刻まれているとはとても思えない。

        闊達な論争消滅、国民主権空洞化

         まずは国民主権である。

         憲法前文で「ここに主権が国民に存することを」高らかに宣言しているが、その精神が尊重されているや否や。

         どうしても特定秘密保護法と、組織犯罪処罰法への「共謀罪」の新設がちらつく。前者は、安全保障上の理由から国家公務員の機密管理を厳罰強化(2014年12月施行)したものだが、記者としてはあれ以来お役人の取材がしにくくなったことを正直に打ち明けたい。15年末で443件が特定秘密に指定された。4割は文書ではなく役人の記憶や知識などだというが、これによって国民が知るべき情報を届けられぬことを恐れる。

         後者は、テロ摘発を理由にした治安立法だ。実行行為がない段階でその準備行為をも捜査対象とする。政権はこの国会で強行成立させる腹だが市民活動萎縮の懸念が残る。

         いずれも、憲法前文の宣言に背く。多様で正確な情報入手と、それに基づいた自由な言論、社会、政治活動こそ、国民の主権行使の内実を構成するものであるからだ。

         前文はまた主権の行使を「国民の代表者」、つまり代議制によりなすべし、としているが、こちらも安倍政権下の与党内ではお寒い状況だ。代議制とは多様な意見を議員が代弁し幅広い世論を国政に反映させる制度だが、その命ともいえる自由闊達(かったつ)な論争が永田町から姿を消した。安倍氏の人事権、公認権による報復を恐れ「物言えば唇寒し」的言論自粛中である。時として執行部批判が吹き荒れ、自由で民主的な政党としての健全性の証しにもなっていた自民党総務会も今や見る影もない。

         上記いずれも国民主権の空洞化を物語る証左である。

        将来世代に残す二つの負の遺産

         基本的人権も気になる。

         現役世代だけでなく「永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」(第11条)とされ、法の下の平等として「経済的に差別されない」(第14条)と規定している。

         この観点からすると、アベノミクスは、未来の人々に対しとんでもない経済差別を押し付け、彼らの基本的人権を毀損(きそん)しようとしている。というのも、アベノミクスとは異次元金融緩和による経済行為前倒しと、財政出動強化による将来世代へのつけ回しで、現役世代への成長利得を最優先させる政策であるからだ。

         実際に株高、円安効果で現役世代の一部は利を得た。だが、将来世代には二つの負の遺産が残された。一つは行き過ぎた金融緩和、財政出動の代償としての身の丈を超えた借金である。その残高は国内総生産(GDP)比250%(16年度)で、独68%、米国108%と比べ突出している。問題は、借金のかたである国債を日銀が爆買いし、財政破綻隠しに手を貸していることだ。その額は420兆円、GDPの8割で、10割に迫る。先進各国中央銀行の2~3割と比べどうみても持続不能である。出口として予測される国債暴落、超インフレもまた将来世代へのつけ回しだ。

         もう一つは、アベノミクスのエンジンをふかすことを理由に、税と社会保障の一体改革に関する与野党合意を破棄、消費増税を2度も先送りしたことである。ポピュリズムが横行する中、民主党政権が党分裂という代償を払って作り上げた現役世代に負担を求める画期的な政策合意だった。増税をめぐる死屍(しし)累々の政治史を見てきた者としては、将来世代の人権に配意した憲法精神に背く罪深い所業と断罪したい。

         平和主義については武器輸出三原則の緩和(14年4月)、新安保法制の制定(16年3月施行)、沖縄・辺野古新基地の建設(4月25日埋め立て開始)という現政権の一連の仕事の中に非戦を核とする憲法精神との背理を見て取れる。

         特に安保法制における集団的自衛権行使容認は憲法解釈上なお法的安定性に欠け、米艦防護や対米兵たん支援を拡大した措置(重要影響事態法)は、自衛隊を戦闘に巻き込む可能性を高めている。今回の北朝鮮危機が格好の例だ。戦争放棄をうたった9条の規範力は、抑止力という名の戦争力強化を重視する安倍式積極的平和主義とは相いれない。

         繰り返すまでもないが、三原則は、憲法の核心部分である。最重要なルールの違反常習者に他のルール改定を議論する資格はあるのだろうか。

         憲法を森に例えてみよう。三原則はその基本を構成しそれを養成する土と水と空気のようなものである。それなくしては森は生き残れない。最近その土壌の質が落ち、雨水が枯れ、大気が汚染されてきた。その時にどうすべきか。「緊急事態」「地方分権」という個々の木々をどう手直しするか、もいいが、森全体の命に関わる議論が足りない。

    (以上、毎日新聞より転載 了)

    <教育無償化>自民が変節 旧民主党政権時「バラマキ」批判

    <教育無償化>自民が変節 旧民主党政権時「バラマキ」批判

    毎日新聞 5/10(水) 8:00配信    

     安倍晋三首相は自民党総裁として唐突に示した憲法改正提案で、9条への自衛隊明記とともに高等教育までの無償化に前向きな姿勢を示している。ところが、同党は旧民主党政権の高校授業料無償化を「理念なき選挙目当てのバラマキ」と批判し、その文言は今も公式ホームページ内にしっかり残っている。いったい整合性はどうなっているのか。

    【動画】安倍首相「改憲20年施行を」ビデオメッセージ

     現行憲法は26条で義務教育(小中学校)の無償化をうたう。安倍首相は改憲提案で「高等教育も」と無償範囲の拡大をにおわせた。高等教育は大学・短大などを指している。背景には、同趣旨の改憲案を唱える日本維新の会を抱き込む狙いがあるとも言われる。

     だが、首相の改憲提案を巡る9日までの国会審議は荒れ、議論は深まらない。首相が民進党の質問に「(自民党総裁としての考えを述べた)読売新聞を熟読したらいい」などと述べ、詳しい言及を避けているためだ。

     そもそも自民党は教育について逆の主張を展開してきた。

     谷垣禎一総裁らの野党時代、旧民主政権が2010年にスタートさせた公立高校授業料無償化に対して、子ども手当▽高速道路無料化▽(農家への)戸別所得補償--と合わせて、頭文字を取り「バラマキ4K政策」と批判。「将来の子供たちにツケを回している」「財政破綻国家に転落する」と訴えていた。

     自民党の公式HPには、当時の主張が今も掲載されている。政権奪還後の14年には、高校授業料無償化に所得制限を設けて内容を後退させた。

     ◆

     実は安倍首相は今年1月、国会での施政方針演説でも「憲法が普通教育の無償化を定め、義務教育制度がスタートした。高等教育も全ての国民に真に開かれたものでなければならない」と述べた。今回これを改憲テーマの一つに格上げした格好だ。しかし、その理由についてはビデオメッセージで「(憲法施行から)70年の時を経て、社会も経済も大きく変化した」と語るのみで、これまでの党の主張との整合性には何の言及もない。

     憲法学者で首都大東京教授の木村草太さんは「教育の無償化を掲げるなら民進党(旧民主党)にわびを入れるべきだ」と言う。その上で「改憲しなくてもできるし、改憲だとかえって時間がかかり、社会状況への柔軟な対応も難しくなる。日本維新の会の教育無償化法案に乗るなど、まずは法律での対応を模索するのが合理的だ」と指摘する。

     ちなみに、憲法改正の是非を問う国民投票は、衆院法制局の試算で1回で約850億円かかるとも言われている。木村さんの主張は「不要な改憲で国民投票をするくらいなら、そのお金を教育無償化の財源に回した方がいい」と論旨明快だ。

     政治アナリストの伊藤惇夫さんも「野党時代の主張を説明もなく覆すのは、まさにご都合主義だ」とあきれている。改憲提案の示し方についても「首相は改憲派集会にビデオメッセージを寄せたり、読売新聞のインタビューに応じたりしただけで国民に向けて直接語っていない。野党時代の主張との整合性も含め、まずきちんと説明すべきだ」と注文をつけた。【福永方人】

    (以上、毎日新聞より転載 了)

     

    2017年5月 9日 (火)

    議会制民主主義を否定する安倍首相

    安倍首相「読売新聞熟読して」 不適切発言たしなめられる                

                                                      
                                                                      

                                                                                                                                                         安倍晋三首相は8日の衆院予算委員会で、民進党の長妻昭元厚生労働相から、自衛隊を国防軍と位置付けた2012年の自民党改憲草案は取り下げるのかと追及され「党総裁としての考え方は読売新聞に書いてある。それを熟読していただきたい」と答弁した。

     国会軽視とも受け取られかねない発言に、野党は反発。浜田靖一委員長(自民党)も「不適切なので気を付けていただきたい」と首相をたしなめた。また、首相は憲法9条への自衛隊明記などを掲げた自らの発言を踏まえ、党内議論を促進させるよう期待を示した。「党総裁として発言をしたわけだから、しっかりと党内で議論をしていただければと思う」と述べた。
                                                         

                
                                         

                    [ 2017年5月9日 05:30 ]

    (スポニチより転載 了)

    たとえば学校の先生が「授業で教えたいことは教科書に書いてあるから、授業中は教科書を読んでいればいい」って言ったら、それでいいのか。それを授業と呼べるのか。

    そういうことだ。

    安倍氏のこの発言は、だったら国会で質疑なんていらないではないかと言っているようなもので、国会軽視どころか国会の否定、議会制民主主義の否定ではないか。

    それにしても、読売新聞は本当に安倍氏公認の政府広報になったんだなと思わされた発言でもあった。

    政府広報をお金を出してまで読む価値がどこにあるのか。

    読売さん、安倍さんに政府広報って「お墨付き」をもらって嬉しいですか?

     

    2017年4月27日 (木)

    今村「前」復興大臣、人としてどうなのか

    大震災「東北で良かった」今村大臣“失言”総理謝罪

    テレビ朝日系(ANN) 4/25(火) 18:56配信

     今村復興大臣がまたも不適切発言です。

     今村復興大臣:「(社会的資本の毀損も)25兆円という数字もあります。これは、まだ東北で、あっちの方だったからよかった。これがもっと首都圏に近かったりすると、莫大(ばくだい)な、甚大な額になったと思う」
     今村大臣は、自らが所属する派閥のパーティーの講演で、東日本大震災の被害についてこのように発言しました。今村大臣は、直後に「首都直下地震に、守りを固めなければという趣旨だった」としたうえで、発言を撤回し、謝罪しました。直後にあいさつに立った安倍総理大臣も謝罪をしましたが、今村大臣を巡っては、福島の原発事故による自主避難者について「自己責任」と発言したことが問題になり、撤回・謝罪したばかりでした。
    (以上、転載了)
    今村前復興大臣の発言、いや暴言をテレビで知って、自民党の体質そのものではないかと思いました。
    今村氏のこの暴言の前や直後の釈明を聞くと、震災による経済的損失の話をして、(経済的損失が首都圏で震災が起きた場合に比べては少ない)東北でよかった、首都圏ならばもっと損害が大きいと本人は言いたかったのでしょうか。
    でも、経済的損失の大小で、東北でよかったとはならないのです。
    被災者にとっては、震災で家や土地、職、財産を失った人も多いのです。まして、命をなくした方も多いのです。
    それを首都圏で震災が起きた想定での経済的被害額や被災者数に比べること自体がおかしいとしか言いようがありません。
    そもそも復興大臣の職とは東日本大震災の被災地の復興、被災者の支援です。
    なんで東日本大震災を引き合いに出して、首都圏での震災の話になるのか、全くもって意味不明です。
    街頭のインタビューで高校生くらいの女の子が、当時の今村復興大臣について、
    「人としてどうかしていると思う」と。
    まさにその通りです。

    こんなんで共謀罪成立でいいのか

    <共謀罪>審議は官僚主導 局長135回>法相94回

    毎日新聞 4/26(水) 22:37配信    

     ◇審議入りから26日で1週間 「法相隠し」と野党反発

     「共謀罪」の要件を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の審議入りから26日で1週間たった。金田勝年法相の答弁を不安視する与党は法務省刑事局長を代役に立てる戦術で、野党は「法相隠し」と反発している。責任者の法相と官僚の「主従逆転」で進む審議に問題はないのか。

     改正案の衆院法務委員会での実質審議は26日までに2日間行われた。新たな刑罰を設ける重要法案としては、2013年に成立した特定秘密保護法と似ている。両者の審議のあり方を比べてみると、今回の異例ぶりが浮き彫りになる。

     19、21両日の審議で金田法相が答弁したのは94回で、全体(356回)の3割に満たない。これに対し、法務省の林真琴刑事局長は最多の約4割に当たる135回。犯罪を事前に計画・合意し、実行準備行為をした段階で「テロ等準備罪」で罰する改正案には監視社会につながる懸念があり、野党も徹底審議の構えだが、法相を脇に置いた「官僚主導」の答弁が続いている。

     一方、特定秘密保護法を審議した衆院国家安全保障特別委員会は、政府案に関する答弁は同じ当初の2日間で150回。このうち当時の森雅子担当相は半分の75回で、補佐役の内閣官房審議官は44回だった。

     金田法相の答弁が少ないのは、与党主導で林刑事局長の常時招致を議決するという異例の対応に出たためだ。しかも、答弁者を原則、閣僚など政治家に限定した1999年の国会活性化法の施行以来、全会一致ではなく議決で招致を決めたのは初めて。憲法は閣僚に「答弁または説明」を求められた時の国会出席を義務づけており、野党は答弁の肩代わりを「答弁義務の回避」と批判している。

     改正案の提出前、金田法相はテロ等準備罪について「法案の成案を得た段階で説明したい」と連発。与党内で答弁能力に疑念が高まり、刑事局長の常時招致につながった。

     異例なのは答弁数だけではない。19日の法務委では法相への質問に林刑事局長が答え、その後に金田法相がほぼ同じ内容を繰り返す場面があり、質問者の藤野保史氏(共産)が「率直に言って同じ答弁だ。時間の無駄だ」と反発した。

     政治評論家の森田実さん(84)は「法案の責任者として法相がきちんと説明すべきだ。国会や国民に説明できないような法案を多数で押し切ろうとする政府・与党のやり方は理性を失っている」と批判した。【佐藤丈一、福永方人】

    (以上、毎日新聞より転載)

    このテロ等準備罪なる共謀罪に賛成する人たちの賛成理由は、おそらくテロの抑止のために必要な法整備だから、この一点だろう。

    では、なぜこの共謀罪がテロの抑止になるのか、ここを説明できるだろうか。

    そして、現行法ではテロの抑止はできないとしたら、どこが現行法で抜けているのだろうか。

    ここを全く説明できていない。

    そして、やはり懸念するのは、この共謀罪が解釈次第でいくらでもテロとは関係がつかないことまでも適用ができる、その余地、隙間がいくらでもあるということだ。

    この法案が欠陥だらけで、とても国会で取り上げるに値しない。

    本当はこんな価値のない法案を国会で議論する、その時間さえもったいない。

    ただテロの抑止に必要だ、このイメージだけで賛成している人が多いのではないのか。

     

    2017年4月19日 (水)

    “ワンオペ”で叩かれた「すき家」のいま (2/2)

    “ワンオペ”で叩かれた「すき家」のいま (2/2)

    [鈴木亮平ITmedia]
     

    「残業するくらいなら営業を止めてもいい」

     もう1つの改革は、労働時間の徹底した管理だ。2014年に時間管理委員会(労働組合員やエリアマネージャーなどで構成)を立ち上げ、月ごとに従業員の労働時間を厳しくチェックする体制を整えた。その効果は特に店長(社員)に対して顕著に表れている。

     飲食店では、アルバイトの突発的な欠席・退職などのトラブルに対して、店長がカバーすることが多い。営業を停止させないことが最優先で、たとえ休日でも穴の空いたシフトを埋めるために出勤せざるを得なかった。

     しかし、改革後は店長の残業時間が上限(45時間)を超えるなど、“働きすぎ”となってしまう場合は営業を中止するようにしたのだ。

     「アルバイトが突然辞めたり、休んだりすることは常にあります。これまでは『何があっても店の営業を止めてはいけない』というのが常識だったので、店長が無理をしていました。しかし、困難な場合は営業を止めても良いというメッセージを出したことで、心にゆとりを持って働ける社員が増えてきています」(同)

    photo 徹底した労働時間の管理で長時間労働を抑制した

     こうした取り組みによって、100時間を超えていた月の平均残業時間は2014年10月以降、45時間以下にまで減らすことができた。

     また、給料面では昨年度から2年連続でベースアップを実施したほか、パート・アルバイトの時給も一律約2.5%アップさせた。「待遇改善を積極的に行ったことで離職率も減少傾向にある」(同)という。

    人手不足時代をどう乗り切るか

     労働人口の減少により、全産業で人手不足が深刻化している。特に、それは外食産業で顕著だ。こうした状況から、幅広い層を受け入れていく取り組みが各企業で進んでいる。同社でも、昨年からシニア層に特化した人材募集を大阪で始めた。

     もともとシニア層の採用も行っていたが、「若い人が働いている」というイメージが強いため、就業に抵抗のあるシニアが多かったという。そこで、若い人向けとシニア向けに分けて採用活動を展開。シニア向けでは、50代以上のモデルを起用し、広告を作成している。

     また、シニア向けの店舗マニュアルを作成。忙しく歩き回る接客ではなく、厨房での仕込み作業に専念してもらうなど、シニアが働きやすくなるよう“分業”を進めているそうだ。

     「少子化のため、若い人を集めるのはより困難になっていくでしょう。そのため、シニア層の確保が重要課題になっています。今後は大阪だけでなく、東京や他の地域でも展開していく予定です」(同)

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