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2013年5月27日 (月)

ユニクロ、大丈夫か? 2

前の記事「ユニクロ、大丈夫か? 1」で書いたネットにある記事を2回にわたってコピペします。私の都合に合わせないために全文掲載します。 ユニクロの問題を考えるには、参考になる記事だと思います。 長い記事ですが、よかったらお読みください。 私の考えはまた後で書きます。

ユニクロ社員が不幸になる”合理的な”理由

スタッフの足跡をたどって見えたもの (大宮冬洋氏)

全国各地のユニクロ店舗で忙しそうに働いているスタッフたち。あの人たちは幸福なのか。これからも幸せな職業生活が送れるのだろうか。

アルバイトとパート(ユニクロ用語では「準社員」)スタッフに関しては8割の確率でYES、正社員に関しては同じぐらいの割合でNO。これが1年間かけてユニクロ勤務経験者を訪ね歩いた僕の結論だ。

僕は2000年3月に新卒でユニクロ(ファーストリテイリング)に入社し、町田店(東京都町田市、2002年に閉店)と青葉台東急スクエア店(横浜市青葉区、規模を縮小して営業中)で勤務した。柳井正社長の跡を継ぐ気負いで入社したにもかかわらず、店長にすらなれぬまま、わずか1年で逃げるように辞めた。

2000年11月にオープンした大型の青葉台東急スクエア店はスタッフを100人ほど採用。社員は店長を含めて4人。新入社員の僕が30人ほどの部下を教育・指導しなければならなかった。実力不足はすぐに露呈した。

フリースブームが続く真冬に、部下からは突き上げられ、上司からは問い詰められ、朝になってもどうしても起き上がれなくなった。3日連続で遅刻して皆に嘲笑されたときは、自分の存在を消してしまいたかった。年明けに退社を決めたとき、組織の中で働くことにすっかり自信を失っていた。

あれから12年の年月が経つ。消去法で選んだフリーライターという職業も何とか軌道に乗り、少しは冷静にユニクロを見られる気がする。

そこで、町田店で一緒に働いていた同僚たちを10年ぶりに訪ね歩いてみた。開店時の混乱(僕のダメ社員ぶりが一因)によって殺伐としていた青葉台東急スクエア店とは違い、ベテランスタッフが多くて郊外のロードサイドにあった町田店は、和やかな空気に包まれていた。店舗内で派閥やいじめはなく、プライベートで頻繁にカラオケや食事に行くほど仲が良かった。旧型の店舗であったため、黒字にもかかわらずスクラップされてしまったけれど……。

かつてのスタッフでユニクロに残ったのは……

1年かけて、学生アルバイトから店長まで9人と再会することができた。取材を進める過程で、僕と同期入社の社員(大半は退職)と連絡を取り合ったり、現在のユニクロ店舗で働くアルバイトスタッフや社員と言葉を交わすこともできた。

町田店に勤務していた20人超のスタッフのうち、閉店後も別の店舗で働くことを決めた人は店長(平社員に降格)と障害者雇用の男性のみ。残りは近隣店舗への異動を断ったか、異動の打診をされずに契約を打ち切られたかのどちらかだ。

10年後の彼らは何をしているのだろうか。訪ねてみると、なぜか全員がアパレル以外の業界で生計を立てていた。自動車部品工場のパート社員、老人保健施設の正社員、チラシポスティング会社の正社員、看護師を夢見る主婦、コンビニチェーンのスーパーバイザー、子育て中の主婦、通信機器企業の正社員、夫の会社の手伝いとガス検針のアルバイトをしている主婦、保険会社の営業マン……。彼ら一人ひとりの物語は今月発売した拙著『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』で読んでもらいたい。

本稿では、ユニクロでの勤務経験は人を幸せにするのか否かを考える。町田店の元スタッフたちは、一様に「いい店だったね」と懐かしがりつつも、その店をスクラップした会社を批判はしない。むしろ「大手チェーンなのだから仕方ない」と、果敢なスクラップ&ビルドに理解を示した。厳しい現場で心身を鍛えられたことを感謝したり、ユニクロでの勤務経験が転職先の採用試験で大いに評価された人もいた。そして、全員が今もユニクロの服を愛用している。

ただし、ユニクロ経験を前向きに振り返るのは、アルバイトおよびパート社員ばかりだ。彼らは責任の範囲が限られており、転勤もない。勤務先店舗の雰囲気さえよければ、比較的高めの時給をもらいながら、忙しくも楽しく働き続けることができる。

社員は事情がまったく異なる。先日、『週刊東洋経済』の取材によってユニクロの離職率の高さが明らかになった。記事では、新卒社員の3年内離職率を平均36%と記しているが、僕の独自取材では、2002年に入社した社員(現在12年目)、約220人のうち、現在もユニクロ事業を含むファーストリテイリンググループで働いている人は20人に満たない。つまり、離職率は4年目以降も高止まりし、10年内離職率は8割を超すと推測できる。

辞める時に「どんな顔をしている」か?

辞めること自体に問題があるのではない。近年の日本は転職市場も発達している。次の職場で活躍すればいいのだ。だからこそ、辞めるときに「どんな顔をしているのか」が重要だと思う。

僕自身がその一人だったように、うつ気味になって暗い顔で退職していく社員が、ユニクロには多すぎる。彼らが他人と一緒に働く自信を取り戻すのには、長い歳月が必要になるだろう。僕は結局、独りきりで働く道を選んだ。

大げさだと言うならば、退職して数年以内に別の会社で生き生きと働いているユニクロ卒業生を挙げてみてほしい。あなたの周りに、例えば学生時代の知り合いに、一人でもいるだろうか。意気揚々とユニクロに入社したはずなのに、退職後は音信不通になってしまう人が少なくないはずだ。いったいなぜなのか。

僕はユニクロ勤務時代にサービス残業などの理不尽さを強要されたことはない。ユニクロがいわゆる「ブラック企業」なのかは今でもよくわからない。ユニクロ社員の8割が不幸になってしまうのは、むしろ合理的すぎることに起因していると感じている。

柳井社長が時折ブチ上げる途方もない必達目標(2020年の売上高5兆円!など)は別として、ユニクロは「完全実力主義」の人事方針に恥じない徹底した合理主義で貫かれている。商品の生産から販売スタッフの採用まで、すべてが理路整然としているのだ。

過去の失敗や成功はほとんど問われず、つねに4半期ごとの業績で評価される。SKIP事業を撤退した後にジーユー事業で復活した柚木治社長の例もある。逆に、どのような役職にあっても、業績を上げ続けなければ店舗勤務の平社員に降格されかねない。年齢や経歴は関係ない。

もちろん、平社員にも甘さはない。配属先の店舗でスタッフを適切に導いて売り場を切り盛りすることができなければ、「なぜできないのか、いつまでにどうやって改善するのか」という厳しい追及の対象になり続ける。そして、自信と気力を少しずつ失っていく。

ユニクロはプロスポーツチームのような会社?

常に結果を求められるプロスポーツチームのような会社なのだ。離職率の高さで言えば、外資系の金融機関やコンサルティングファームと似ているかもしれない。アジア諸国のグローバル企業も同じようなものだ、という声もある。ただし、ユニクロに新卒入社する場合は、「20代で自信喪失して退職する」リスクを背負う割には、給与面でもキャリア面でも見合ったリターンは得られない。

高給やキャリアアップは期待できなくてもいい。信頼し支え合える仲間たちと一緒に安心して働き続けられる職場ならば、人は幸せを感じることができる。しかし、ユニクロ社員にはそれすら許されていない。

新卒入社した若者の8割を「排出」しながら高い利益水準と急成長を維持するユニクロ。これでいいのかと現役社員に問いかけたことがある。その回答は柳井社長の主張と見事に重なるので、上述の拙著から抜粋する。

「最初から『完全実力主義です』と謳っているんだから、実力のない人が退職するのは当たり前でしょう。辞めたければ辞めればいい。私は(ユニクロを)辞めたいと思ったことはまだないけれど、辞めたくなったらすぐ辞めますし、仕事ができない同僚にはすごく腹が立ちます。『早く辞めろ!』と内心では思っています。そういう人に限って、なかなか辞めないんですけどね。会社は家族じゃない。仕事なんだから、結果を出さないとお金をもらう資格はありません。私は仕事だと割り切っています。だから、結果が出なければ徹夜してでもやり遂げます」

なお、この社員は「プライベートではユニクロ服は着たくない」と別の国内ブランドの洋服で全身を固めていた。

あなたはこの会社で働きたいだろうか。自分の子どもを入社させたいだろうか。もし入るならば、「幸せな2割」になり続けることを祈るばかりだ。

東洋経済ONLINE 2013年03月28日

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