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2013年10月 4日 (金)

解雇されやすい世の中って 2

「解雇しやすい特区」って何?/木暮太一のやさしいニュース解説

THE PAGE 9月30日(月)11時25分配信    

「解雇しやすい特区」って何?/木暮太一のやさしいニュース解説                     

[表] 「解雇しやすい特区」案のポイント

政府は、この秋の臨時国会に「解雇しやすい特区」の法案を提出する方向で検討に入りました。この「解雇しやすい特区」とは、一体何なのでしょうか? 誰が対象で、どんな影響があるのでしょうか?

―――「解雇しやすいってことは、社員をクビにしやすいってことだよね?」

最終的にはそういうことです。ただ、社長が自由気ままに社員をクビにできるわけではありません。また、「特区」なので、全国を対象にしているわけではありません。政府が検討している案(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/kadaibetu/dai1/siryou5.pdf)を見てみましょう。

―――「なんで今こんな特区を作ろうとしているの?」

政府は「新しく会社ができないこと」「外国からの投資が少ないこと(※この場合の「投資」とは、外国企業が日本に進出する、という意味です)」を問題視していいます。この状況を解決するために、“雇用制度上の特例措置を講ずる”=従業員を解雇する基準を緩やかにする、を検討しているのです。

―――「どこの地域が対象なの?」

東京、大阪、愛知の三大都市圏などを特区に指定するようです。まずは都心部からということですね。

―――「その地域の全員が対象なの?」

いえ、そうではありません。この特区内において
・できてから5年以内の企業の事業所
・外国人労働者の比率が30%以上の事業所
とあります。全員ではないんですね。

「ずっと期間限定で雇う」が可能に

―――「ふーん。で、どんな内容が検討されているの?」

政府が考えている新ルールは大きく考えて3つです。
最初のルールは「ずっと“期間限定社員”を可能にする」です。

現在、1年契約、2年契約など期間限定で社員を雇うことが認められています。仕事がある時期(年)だけ限定で社員を増やすことができると言うことですね。そしてその期間が終わったら「今までお疲れさまでした。ではさようなら」といって、雇用契約が終わります。しかし、契約期間を更新などして、5年を超えた場合、労働者から“申込み”があれば正社員にしなければいけません。

特区では、その決まりをなくし、ずっと“期間限定”で雇うことを可能にするのです。

―――「なんで5年たったら正社員にするの?」

“期間限定社員”は、経営者に有利、労働者には不利な契約だからです。経営者は、景気がよくて仕事がある時に社員をたくさん雇ってたくさん仕事をさせたいです。でも、景気が悪くなったら社員の人件費が負担になるので人を減らしたいです。だから期間限定の社員はとても都合がいいのです。

ただ、労働者から見れば、景気が悪くなったら切られるわけで、生活が不安定になりかねません。そこで5年を超えたら「実質正社員だよね?」ということで、労働者が希望すれば「無期雇用(終身雇用)」に切り替えなければいけないのです。

ただ、この「5年ルール」があることで、企業は経営がしづらくなります。またより重要な問題として、このルールがあることで、5年経つ前に(経営者にとって条件が悪くなる前に)契約を終了させられる労働者が続出するのです。

―――「あ、なるほど……。」

特区のルールの2番目は、「クビにするルールを事前に契約で決める」という内容です。
現在は、企業が正社員を雇うと、よほどのことがない限り解雇することができません。しかも、クビにするルールはグレーゾーンの部分が大きく、「仕事をしない社員」も解雇するのは難しいです。このルールを雇う時の契約書で明確にしましょうということです。

これに関しては、多くの反対意見があります。職に就きたい弱者(労働者)に対して、「1分でも遅刻したらクビ、1回でもノルマを達成しなかったらクビ」など悪条件を突き付ける経営者が出てくるとも限らない、そしてそれを「契約書で合意」したことになってしまうので、堂々とクビにできるようになる、ということです。

その懸念も一部あると思いますが、むしろ問題なのは、契約書にいちいち書けない細かい内容です。あらゆる項目を契約書にすることは不可能です。そのため最終的には、グレーゾーンはできるはずです。その時に、「契約書には書いてないけど、“流れ”から考えてクビにできるよね」もしくは「契約書に書いてないことは、何をやってもクビにできない」となってしまうと、かえって企業も労働者も自由度がなくなりますね。
かなり綿密に考えて制度を設計しないと、大きな混乱を招くと思います。

―――「うーん……。で、3番目は?」

「ホワイトカラー・エグゼンプション」も

3つ目のルールは、「一定の要件(年収など)を満たす労働者には、残業を払わなくてもいいようにする」という内容です。これは以前大きな議論になった“ホワイトカラー・エグゼンプション”と呼ばれる制度案と同じ内容です。

―――「みんな残業がもらえなくなるんだっけ?」

必ずもらえなくなるわけではなく、一定の役職になったら、一定のポストに着いたら、一定の年収(800万円)を超えたらなど条件付きです。現在も、多くの会社で管理職には残業代が支払われません。それと同じイメージです。

大前提として、企業も労働者も、よりよい条件を求めて自由に決められるのがベストな社会だと思います。立場が弱い労働者の権利を守ることはもちろん大切です。しかし同時に、企業の競争力を上げて、日本経済を活性化させることも考えなければいけません。双方の歩み寄りが必要だと思います。

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以上、引用了。木暮 太一氏の記事です。

小暮氏の最後のメッセージ「大前提として、企業も労働者も、よりよい条件を求めて自由に決められるのがベストな社会だと思います。立場が弱い労働者の権利を守ることはもちろん大切です。しかし同時に、企業の競争力を上げて、日本経済を活性化させることも考えなければいけません。双方の歩み寄りが必要だと思います。」、言いたいことは分かるような、でも玉虫色にしている感があります。しかし、本音は「企業の競争力を上げて、日本経済を活性化させることも考えなければいけません」から、解雇条件の緩和は仕方ないって言いたいのかと思ったのです。

そして気になるのは、「双方の歩み寄りが必要だと思います。」としめくくっていますが、「双方の歩み寄り」が解雇されやすい世の中では、労働者側からすれば何の妥協点にもならないのです。昔から「三方一両損」というたとえ話があり、双方一両ずつ損しても双方が二両は手にできるということですが、労働者側からすれば何の得るものが無く、失うばかりしかないではありませんか。こういうのを「歩み寄り」とは言わないのです。

そもそも解雇条件の緩和を認めたら、労使間の摩擦は激しくなるだろうし、労働者は「消耗品」扱いになります。必要な時だけ雇用して必要な分だけ働かせて、必要でなくなれば解雇にして終わるということです。

みなさん言わないけれど、これってまさかアメリカの要求ではないでしょうね。TPPによりアメリカ資本が入り、アメリカ型経営が日本でできるように、解雇の条件緩和という前段階の実験を「特区」でやり、それを布石にして、アメリカ企業が入ってくるまでには環境を整えるってことではないですか。

本当は日本経済の活性化のための解雇条件の緩和ではなく、アメリカ資本の日本進出が容易にできる環境づくりが本当の目的だとしたら、日本の経営者は喜んでいられません。なぜならば、アメリカ資本に対抗できずに倒産・廃業に追い込まれる日本の企業、特に中小企業が続出するおそれがあるからです。

マスコミや政治家はまだ言わないけれど、このブログで私は「予言」しておきます

 

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