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2014年11月14日 (金)

里村英一/綾織次郎 編 『スピリチュアル・エキスパートによる文部科学大臣の「大学設置審査」検証』を少しいじる その1

この『スピリチュアル・エキスパートによる文部科学大臣の「大学設置審査」検証』は、幸福の科学大学の開学が不認可になったことを受けて、幸福の科学総裁の大川隆法氏が、下村博文文部科学大臣に「反撃」した一冊です。

今回の特徴は、いつもは「霊言」なるものは幸福の科学では大川氏の独占上の「得意技」。その「霊言」なる霊の言葉を話すのを、今回は大川氏以外の6人でやったこと。

男女6人が交代で、大川氏の前で、下村氏の「霊言」なるものを言うのです。

とはいっても、その男女6人は全員幸福の科学の幹部クラスの人物。

何故そんなことをしたのか、大川氏の説明では、

下村氏の頭のなかには、「真光」という宗教が一つあるので、「複数の人が霊言などをできるのが科学的宗教だ」と考えている可能性があるのです。

(同書20ページ)

とありますが、大川氏の「霊言」なるものによると、以前から下村氏は幸福の科学大学の開学に反対で、その一因が、下村氏の妻が崇教真光の信者であるから。そして、崇教真光の教祖の故・岡田光玉氏の霊が妨害している、と言っていました。

大学設置審議会から、霊言なるものを授業に取り入れるのは、学問としては一般性、客観性があるとはいえず、大学教育に馴染まない、といったことを言われ、大学の開学は「不可」の答申をされたことで、大川氏は、下村氏は一方で崇教真光のことは科学的な宗教だと思っているかも、と言っているのです。

そこで、崇教真光のように研修を受けることで、「真光の業」なる霊能術が使えるようになるとしていることに対して、大川氏は、「霊言」は自分ひとりだけの能力ではなくて、自分以外もできる特殊な能力と位置づけようと「反撃」したのです。

当会にも、霊が降ろせる方は複数います。

(中略)

教義が混乱しますので、一般的にはあまり発表はしていません。

(中略)

ただ、私以外にも霊言ができる方はいるのです。

(同書21ページ)

大川氏は自分一人だけしか「霊言」を発しないから、「霊言」が「科学的」でないとされたという発想です。

そこで、

六人ぐらいでやってみれば、ある程度客観性もあるし、繰り返し実験ができるので、科学的な面もあろうかと思います。

(同書22ページ)

と言い出して、男女6人の幹部クラスの職員が交代で、下村氏の守護霊の言葉なるものを言いました。

しかし、大川氏は、幸福の科学大学の設置が不認可になったのは、下村氏の私怨と、安倍政権の失策から目をそらせるためのスケープゴートにされ、また、政府の中国寄りの姿勢に転換しようとする上で幸福実現党(幸福の科学)が中国政府の批判をしていたことに対して、幸福の科学を冷遇することで中国政府に好意を寄せている印象をもたせるためという結果を既に発表しているのに、6人とも似たようなことを言ったからといって、霊言に一貫性があるからといって、それが霊言なるものを客観性のある実験で、その真実性が証明されたとはなりません。

何故ならば、教祖の大川氏は、既に、大学開学の不認可は、下村氏の私怨と、安倍政権の失策から目をそらせるためのスケープゴートにされた、また、政府の中国寄りの姿勢に転換しようとする上で幸福実現党(幸福の科学)が中国政府の批判をしていたことに対して、幸福の科学を冷遇することで中国政府に好意を寄せている印象をもたせるためによるものという「答え」を出しているからです。

あとは、大川氏からの「答え」に沿った「答え」を6人全員が話しているだけです。

内容は、①下村氏本人は幸福の科学に対して批判的である、②政府は失策したことに、そのスケープゴートとして幸福の科学大学の開学「不認可」にした、③現在の政府は中国寄りに転換したいが幸福の科学(幸福実現党)が中国政府を批判するのは政府にとっては困る、④下村氏だけでなく安倍総理や菅官房長官も開学「不認可」に関わっている、⑤霊言に対しては懐疑的である、⑥下村氏は崇教真光を高く評価している、といった枠のなかで話せば、6人ともが大川氏のこれまでの「霊言」と似た内容になり、一貫性のある「霊言」になるのです。

霊言なるものを話すのは全員が幸福の科学の職員。

やはり大川氏や幸福の科学と利害関係にある職員では、霊言の信憑性に疑問を残したままです。

また、6人ともそれぞれが隔離されて、他人の言葉を聞いていないのであればともかく、当日は、たとえば別室のモニターで他人の発言「霊言」を視聴していた可能性が十分にあり得る状況で、6人ともその発言の内容に一貫性があると言われても、当然のこととしか言いようがありません。

つまりは実験条件もいい加減なのに、実験にもなりませんし、その結果をもって何かの証明になるわけもありません。

これをもって、大川氏にとっては何の収穫もなく、下村氏への反撃にも、崇教真光への批判にもならないのです。

ただ幸福の科学の会員だけが、「霊言」の内容を信じて、下村氏や政府に批判的になっているに過ぎないのではないでしょうか。

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