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2015年11月13日 (金)

バチカン:暴露本に揺れる 改革への抵抗、背景に

バチカン:暴露本に揺れる 改革への抵抗、背景に

 【ローマ福島良典】

キリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)が機密文書漏えい事件で揺れている。

文書を暴露したジャーナリスト2人の著書(今月5日発売)で、過去の放漫財政や一部聖職者の強欲ぶりが明るみに出て、改革を進めるフランシスコ・ローマ法王への抵抗が浮き彫りになったためだ。バチカンは11日、漏えい容疑で逮捕済みの高官ら2人に加え、ジャーナリスト2人の捜査を開始したと発表。事件は拡大の様相を見せている。

 暴露本は、イタリア人ジャーナリスト、ジャンルイージ・ヌッツィ氏(46)の「十字架の道」と、イタリア誌レスプレッソの調査報道記者、エミリアーノ・フィッティパルディ氏(41)の「強欲」の2冊。

 バチカン当局は今月2日、財政改革委員会のメンバーだったスペイン人高位聖職者、ルシオ・アンヘル・バジェホ・バルダ容疑者(54)と、イタリア人広報専門家、フランチェスカ・イマコラータ・シャウキ容疑者(32)を両氏への文書漏えい容疑で逮捕したと発表した。11日にはジャーナリスト2人に協力した高官も捜査対象とする方針を表明した。

 暴露本によると、世界各地の教会から貧窮者支援のために寄付された義援金の6割がバチカンの財政赤字の穴埋めに回されていたという。また、カトリックの崇敬対象である「聖人」や「福者」の認定のために届いた巨額の寄付金が使途不明になっていたとされる。

 バチカンが保有する市場価値約27億ユーロ(約3550億円)の不動産の管理もずさんで、アパートが聖職者らに格安で賃貸されていたという。一方、ベルトーネ前国務長官(80)の床面積数百平方メートルの「豪華アパート」の改修費の一部として、20万ユーロ(約2640万円)がカトリック系小児病院の財団から拠出されていたという。

 さらに、2013年7月の枢機卿らとの非公開会合での法王の発言が、何者かにひそかに録音されていたことが露呈した。法王は会合で「(バチカンの)大半の支出が制御不能だと言っても過言ではない。財政をより透明にしなければならない」と放漫財政の是正を求めていた。

© 毎日新聞

 社会的弱者に寄り添う「貧者の教会」を掲げる法王は就任以来、バチカンの構造改革に取り組んでいるが、内部には不満がくすぶる。ヌッツィ氏は自著発表会で「50平方メートルの小さなアパートに暮らす法王は改革を進めようとしているが、多くの困難に直面し、抵抗に遭っている」と障害を指摘した。

 バチカンでは10月、再婚信徒や同性愛者の処遇を巡り保守派が法王に反旗を翻し、教義の厳格適用を求める保守派と、現実路線の改革派の対立が表面化したばかり。法王は8日、漏えい事件について「文書を盗むのは犯罪であり、嘆かわしい行為だ」と非難する一方、「事件で、改革から注意がそらされることはない」と改革路線の推進を強調した。

 バチカンでは12年、前法王ベネディクト16世の元執事による「バチリークス」と呼ばれる機密文書漏えい事件が起き、スキャンダルとなった。今回の事件を地元メディアは「第2のバチリークス」と報じている。

 ◇イタリア人ジャーナリストの著書で暴露されたバチカン機密文書・情報の主な内容

●世界各地の教会から寄せられた貧窮者支援のための義援金の大半がバチカン財政の穴埋めに使われていた。

●非公開会合でのフランシスコ法王の発言がひそかに録音されていた。

●カトリックの崇敬対象である「聖人」や「福者」の認定にあたり寄せられた巨額の寄付が使途不明。

●バチカン保有の不動産の管理がずさんで、聖職者らに破格の安値で賃貸されていた。

●ベルトーネ前国務長官の邸宅改修費の一部が小児病院の財団から支出されていた。

●バチカン高官が、病気で入院中の隣人宅の壁を無断で取り壊し、自宅を拡張していた。

(以上、毎日新聞より転載)

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