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2015年12月15日 (火)

野党3党首が“激論”120分 「安倍政権の暴走を止める」(中)

反安保法制・反アベノミクスでは ◎、選挙協力は△。

 では、将来の連立政権は……。“一強多弱”の勢力図を塗り替えるには野党協力が欠かせない。野党研究が専門の吉田徹・北大教授が、3党首の胸の内を探った。(構成/編集部・宮下直之)

*  *  *
●連合政府は「キツい」

吉田徹・北海道大学教授:岡田さん、民主は共産、維新からラブコールを送られている状況です。どう受け止めますか。

岡田克也・民主党代表:参院選を含めて、民主党は過去3回の国政選挙で3連敗中なんですけれど、それはなぜかといえば、第三極が出てきて野党が分裂したことも大きい。自民党や公明党の得票数が増えているわけではないんです。野党が分裂することによって小選挙区で勝てない。この状況を変えないといけない。

 我々は、国会での統一会派を維新の党に呼びかけているわけですけれども、ぜひですね、国会ではひとかたまりになって、巨大与党に立ち向かっていきたいと思っています。で、志位さんからは、かなり思い切った提案をしていただいたと思います。ただ、やはり国民連合政府は、率直に言ってキツいというふうに……。

吉田:どこが「キツい」のでしょう。

●選挙協力だけでは限界

岡田:政府を構成するということは、国民に対して重い責任を負います。価値観を共にした強い政府でないと、スタートしてすぐに意見の違いが露呈したり、思い切ったことができなかったりする。国民連合政府は、基本的な理念や政策で大きな開きがあり、そのうえで一つのことだけをやるということですが、その間にいろんなことが起き得るわけです。たとえば日本有事や国債市場のクラッシュです。そういうことまできちんと対処できる政府が必要と考えると、民主党と共産党が組むという選択はできないと判断しています。

吉田:現政権の問題は皆さん共有し、何らかの協力が必要だということも理解している。問題はその一歩先に踏み込めないことです。14年の衆院選で、共産党を除く野党間で選挙協力できた小選挙区は194。そのうち与党候補に勝ったのはわずか42。単なる選挙協力では限界があることが露呈しています。

岡田:14年の衆院選で、民主と維新の候補者がバッティングした選挙区で、自民党候補に勝った民主の候補者は2人しかいない。逆に言うと、小選挙区で勝ったほかの候補は、維新と調整ができていた。立候補調整だけでもそれだけの効果がある。

 ですから、小選挙区で一番有力な候補者に絞るということが非常に大事になる。次の選挙で徹底的に安倍政権と戦うということであれば、共産党さんにも思い切った決断をしてもらいたい。選挙区のなかで最も有力な候補者は多くの場合、民主や維新の候補であるわけですから、そこに共産党が候補者を立てることがないようにしていただく。私はそれが次の選挙の勝利につながると思います。
志位和夫・共産党委員長:選挙協力は、国民的大義を掲げ、どの党にもプラスになるように行ってこそ、自公を倒すことができます。

 いま、岡田さんから共産党と政権を組むのは「キツい」というお話がありました。しかし、野党間で政策的違いがあるというリアルな現実から出発して、どうやって安倍政権を倒すかを考える必要がある。政策的違いは互いに認め、留保する。そして、立憲主義の回復という、個々の政策とは次元の違う、より根本の問題で結束する。この大仕事をやりあげたら、ずるずると続けないで解散・総選挙を行い、国民の審判を受けて、次の進路を決めていく。これが一番現実的で合理的ではないか。

 それから戦争法廃止以外の問題をどうするか。たとえば、民主党との間で、在日米軍基地問題についての考え方は違う。しかし、沖縄県民があれだけ反対している新基地建設をいまのように力ずくで進めていいかといったらね、これはよくないという点で一致するでしょう。

●“人”への支出は正しい

岡田:そこまではね。

志位:そこまでは一致する。私は、いろんな分野でそういう一致点はつくれると思うんです。だから、そうした政策調整をきちんとやれば、国民に対して責任を負った政権運営ができると考えています。

吉田:安倍政権と比べて、民主党は経済政策で決定打に欠けると思われています。

岡田:民主党の考え方は経済成長と分配の両立です。経済成長が必要ないという立場には立っていない。しかし、安倍政権はそれしかない。成長の果実をいかに公正に分配するか、あるいは厳しい状況の人々の生活を底上げするということが、政治の役割だと考えています。

松野頼久・維新の党代表:民主党の議員でない僕が言うのもおかしいと思うんですが、民主党政権が掲げた方向性というのは正しいと思うんです。「コンクリートから人へ」というスローガンには、税金として集めたお金を、どこを出口に財政出動させるかという問題意識があります。現在は人口が増える方向にお金を使わなきゃいけないのに、自民党はいまだに公共事業に使っている。財政支出ないのに、自民党はいまだに公共事業に使っている。財政支出を医療、介護、福祉に振り向けるという方向は正しかった。

●アベノミクスの転換を

岡田:民主党の失敗の原因がどこにあったか。私は、覚悟が足りなかったというふうに思っているんです。最後は党がバラけてしまったんですが、そこもきっちり総括して、同じことはもう二度とありませんということを有権者にわかってもらわなければいけない。私は、民主党が新しい、さらに違う形になっていくなら、総括を含めて過去の失敗を説明する必要があると思います。


AERA  2015年12月7日号
(以上、転載了 つづく)

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