政治・社会

2017年5月29日 (月)

前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に!読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証 その5

森友学園問題でも官邸擁護、“忖度新聞”は民主主義の敵だ

 森友学園報道を露骨に避けていたことも忘れてはならない。実際、朝日新聞(東京版)が森友学園をめぐる国有地問題を初めて紙面で取り上げたのは今年の2月9日だったが、一方の読売(東京版)は同月18日で、実に1週間以上もの開きがある。しかも、この読売の記事のタイトルは「国有地売却に首相関与否定」というもので、これまた安倍政権側に立ち、文字数わずか200字弱のベタ記事だった。

 また、初めて社説で森友問題を扱ったのは、朝日が2月22日、毎日が同月23日に対して、読売は同月28日とかなり遅い。傑作なのが3月の籠池泰典理事長(当時)証人喚問翌日の社説のタイトル。全国各紙を比較してみるとこんな感じだ。

朝日「籠池氏の喚問 昭恵氏の招致が必要だ」
毎日「籠池氏喚問 関係者の説明が必要だ」
日経「真相解明にはさらなる国会招致がいる」
産経「籠池氏喚問 国有地売却の疑問とけぬ」
読売「籠池氏証人喚問 信憑性を慎重に見極めたい」

 何をか言わんや、である。現在の読売が、いかにかつての“中道右派のエスタブリッシュメント”的な紙面づくりを放棄しているか、よくわかるというものだ。なぜ、こんなことになってしまったのか。数々のスクープを手がけた元読売新聞記者・加藤隆則氏は、スタジジブリが無料で配布している小冊子「熱風」2016年4月号でのジャーナリスト・青木理氏との対談で、最近の読売をこのように分析している。

「だんだん官僚的になって、事なかれ主義になっている。今の政権にくっついていればいいんだと。それ以外のことは冒険する必要はなく、余計なことはやめてくれと。これは事実だからいいますけど、読売のある中堅幹部は、部下に向かって『特ダネは書かなくていい』と平気で言ったんです。これはもう新聞社じゃない。みんなが知らない事実を見つけようという気持ちがなくなった新聞社はもう新聞社じゃないと僕は思います」
「この新聞社にいても書きたいことは書けなくなってしまった。そういう新聞社になってしまったということです。社内の人間は多くが息苦しさを感じている。(略)でも辞められない。生活もありますから。だからみんな泣く泣く、やむなく指示に従っている」

 森友学園、加計学園問題でバズワードとなっている“忖度”が、読売新聞社内でも疫病のように流行っている。暗澹たる気持ちになるのは、安倍首相と独裁的トップのほうばかりを向き、政権擁護を垂れ流して、さらには謀略にまで加担してしまうこの新聞が、いまだ発行部数第1位であるという事実。民主主義にとって、極めて有害としか言いようがない。

(以上、LITERAから転載 了)

前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に!読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証 その4

池上彰も「これがはたしてきちんとした報道なのか」と苦言

 たとえば昨年では、「今世紀最大級の金融スキャンダル」といわれたパナマ文書問題で、読売新聞は文書に登場する日本の企業名や著名人の名前を伏せて報じた。また、沖縄で起きた米軍属による女性殺害事件も他紙が詳細を報じているにもかかわらず、米軍関係者の関与については容疑者が逮捕されるまでは一行も触れていなかった。いずれも、政権にとってマイナスにならないようにとの配慮ではないかとみられている。

 まだまだある。安保報道における読売の明白な「偏向」ぶりは、あの池上彰氏をして、「安保法制賛成の新聞は反対意見をほとんど取り上げない。そこが反対派の新聞と大きく違う点です。読売は反対の議論を載せません。そうなると、これがはたしてきちんとした報道なのかってことになる」(「週刊東洋経済」15年9月5日号/東洋経済新報社)と言わしめたほどだ。

 事実、15年5〜9月の間の朝日、毎日、読売、産経においてデモ関連の記事に出てくるコメント数を比較すると、朝日214、毎日178に対して、なんと読売はたったの10。産経の11より少なかったという(一般社団法人日本報道検証機構調べ)。ちなみに、安保関連の細かいところでは、安倍首相が蓮舫議員に対し「まあいいじゃん、そんなこと」というヤジを飛ばしたことがあったが、読売新聞はこのヤジ問題を全国紙で唯一報じなかった。

 さらには世論調査までもが、“安倍首相に捧げる”世論操作の様相を呈している。たとえば15年7月24〜26日実施の読売全国調査では、〈安全保障関連法案は、日本の平和と安全を確保し、国際社会への貢献を強化するために、自衛隊の活動を拡大するものです。こうした法律の整備に、賛成ですか、反対ですか〉などと、安倍政権の主張をそのまま質問文に盛り込んだ誘導質問を展開。集団的自衛権閣議決定の14年には、〈集団的自衛権71%容認 本社世論調〉なる記事を出したが、これも調査で人々が心理的に選びがちな「中間的選択肢」をあえて置き、回答を誘導したとしか思えないものだった。

(以上、LITERAより転載 つづく)

前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に!読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証 その3

会食を繰り返す渡邉恒雄主筆と安倍首相、蜜月はピークに達す

自民党総裁としての(改憲の)考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてありますから、是非それを熟読してもらってもいい」

 2020年の新憲法施行を宣言した安倍首相が、今国会でこんなトンデモ発言をしたのは記憶に新しい。周知の通り、憲法記念日の5月3日、読売新聞はトップで安倍首相の単独インタビューを公開。まさに安倍首相の“代弁者”として振る舞った。

 しかも、インタビューを収録した4月26日の2日前には、読売グループのドン・渡邉恒雄主筆が、安倍首相と都内の高級日本料理店で会食しており、そこで二人は改憲について詳細に相談したとみられている。つい最近も、今月15日に催された中曽根康弘元首相の白寿を祝う会合で顔を合わせ、肩を寄せあうように仲良く談話している姿を「フライデー」(講談社)が撮影。このように、第二次安倍政権発足以降、安倍首相と渡邉氏の相思相愛ぶりはすさまじい。実際、安倍首相と渡邉氏の会食回数は傑出している。数年前から渡邉氏が読売本社にマスコミ幹部を招いて“安倍首相を囲む会”を開催しだしたことは有名だが、さらに昨年11月16日には、渡邉氏が見守るなか、安倍首相が読売本社で講演まで行っているのだ。

 こうした安倍首相の“ナベツネ詣で”は、重要な節目の前後にあり、重要法案などについてわざわざお伺いを立てていると言われる。事実、2013年には特定秘密保護法案を強行採決した12月6日前後にあたる同月2日と19日、14年には7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定に向けて動いていた6月13日、15年は安保法案を国会に提出した4日後の5月18日、昨年ではロシア訪問の前日である9月1日などがこれにあたる。

 そして今年の“2020年新憲法施行宣言”の読売単独インタビューと、国会での安倍首相の「読売新聞を読め」発言に続く、前川証言ツブシのための「出会い系バー通い」報道の謀略……。もはや、そのベッタリぶりは報道機関の体さえなしていないが、これは単に安倍首相と渡邉氏の蜜月ぶりだけが問題ではない。現在、読売新聞では四半世紀にわたりトップに君臨する渡邉氏を“忖度”するあまり、政治部は当然として社会部や世論調査までもが、安倍政権の後方支援一色となっているのだ。

(以上、LITERAより転載 つづく)

前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に!読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証 その2

赤っ恥、読売は前川会見をどう報じたのか? ちりばめられた官邸擁護

 官邸に“いい子いい子”をしてもらおうとしっぽをふりすぎて、満天下に恥をさらしてしまった読売新聞。いったいどのツラ下げてこの会見を報じるのか。今朝の同紙朝刊を読んでみたら、まったく反省なし。記事にはしていたものの、あいかわらず、官邸側に立っているのがミエミエだったのだ。

 まず、一面の見出しからして〈総理の意向文書「存在」文科前次官加計学園巡り〉のあとに〈政府は否定〉と付け加える気の使いよう。3面では〈政府「法的な問題なし」〉としたうえ、〈文科省「忖度の余地なし」〉の見出しをつけ、官邸の圧力を否定にかかったのである。

 もっとも、その根拠というのは、学部新設の認可審査は〈議事録も非公表で、不正が入り込む余地は少ない〉などと、なんの反論にもなってないもの。この間、前川前次官が証言した加計文書だけでなく、森友学園問題などでも、圧力を物語る証拠がどんどん出てきていることを無視しているのである。

 さらに、社会面では、自分たちが報じたことを一行も触れず、会見の中身を使うかたちで、例の「出会い系バー」通いに言及した。

 悪あがきとしか言いようがないが、こうした態度は読売だけではない。読売系のテレビ番組も“前川証言”には消極的で、露骨なまでに安倍政権の顔色をうかがう姿勢を示していた。

 それは昨日から始まっていた。他局は「週刊文春」の前川氏独占インタビューを受け、一斉にこの問題を報道。インタビュー済みだったTBSもこの時点で前川氏のインタビュー映像を放送していた。

 ところが、日本テレビは、午前の情報番組『ZIP!』『スッキリ!!』では加計学園の話題を一切無視、かろうじて『NNNストレイトニュース』が国会での民進党と松野一博文科相のやりとりをベタで触れたのみ。

 午後になっても、やはりストレイトニュースのコーナーで『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)が国会質疑を受けてアリバイ的にやっただけで、夕方の『news every.』でようやく他局も中継した前川氏の会見の模様を報じるという体たらく。夜の『NEWS ZERO』も、テレビ朝日の『報道ステーション』やTBSの『NEWS23』よりも明らかに見劣りする内容で、政治部の富田徹記者が前川氏が会見を開いた理由について「安倍政権への怒りこそが大きな理由と見られます」と解説するなど“私怨”を強調すらした。

 もはや、読売はグループをあげて“安倍政権の広報機関”と化していると断言してもいいだろう。いったいいつのまに、こんなことになってしまったのか。

(以上、LITERAから転載 つづく)

前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に!読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証 その1

前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に!読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証

安倍首相主導の不当な働きかけが疑われる加計学園問題。例の「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと記載された文科省の内部文書を巡り、昨日夕方、前事務次官の前川喜平氏が記者会見を開いた。

「これらの文書については、私が実際に在職中に共有していた文書でございますから、確実に存在していた。見つけるつもりがあれば、すぐ見つかると思う。複雑な調査方法を用いる必要はない」
「極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた。また、そのことによって公正公平であるべき行政のあり方が歪められたと私は認識しています」
「証人喚問があれば参ります」

 各マスコミは一斉に“前川証言”を報じ始めた。昨夜はほとんどのテレビ局がこの記者会見を大きく取り上げたし、今日の新聞朝刊も多くの社が1面トップ、もしくはそれに準ずる扱いで、〈文科前次官「総理のご意向文書は確実に存在」「証人喚問応じる」〉と打った。

 こうなってみると、改めてそのみっともなさが浮き彫りになったのが、“伝説級の謀略記事”をやらかした読売新聞だろう。周知のように、読売新聞はこの前川氏の実名証言を止めようとした官邸のリークに丸乗りし、22日朝刊で〈前川前次官出会い系バー通い〉と打っていた。大手全国紙が刑事事件にもなっていない、現役でもない官僚のただの風俗通いを社会面でデカデカと記事にするなんていうのは前代未聞。報道関係者の間でも「いくら政権べったりといっても、こんな記事を出して読売は恥ずかしくないのか」と大きな話題になっていた。

 しかも、この読売の官邸丸乗りは当初、本サイトだけが追及していたが、そのあと「週刊新潮」(新潮社)もこの事実を暴露した。こんな感じだ。

〈安倍官邸は警察当局などに前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させ、彼に報復するとともに口封じに動いたという。事実、前川前次官を貶めようと、取材を進めるメディアがあった。
「あなたが来る2日前から、読売新聞の2人組がここに来ていた。(略)」〉

 さらに昨日のテレビでも、『羽鳥慎一モーニングショー』『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)などが「週刊新潮」の記事を引用しつつ、読売の記事が「官邸の証言潰しのイメージ操作」であることを指摘した。地上波のテレビ番組で、全国紙の記事が官邸の謀略だと指摘されるのは、おそらくはじめてではないだろうか。

(以上、LITERAから転載 つづく)

2017年5月26日 (金)

官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に 日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説

官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に 日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説
元文科省事務次官である前川喜平氏のインタビューを、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が掲載したことを受けて、今朝の朝日新聞朝刊も前川氏のインタビューを一面トップほか大々的に掲載。毎日新聞も社会面で大きく取り上げ、そのなかで「文書は本物」とする前川証言を紹介した。また、昨晩の『NEWS23』(TBS)は、前川氏のインタビューを今晩放送することを予告した。

 本サイトは昨日、前川氏の自宅前にマスコミが殺到している一方で、官邸が上層部から官邸記者にいたるまで恫喝をかけまくっていることを伝えたが、その圧力をこれらのメディアは撥ね返したといえよう。

 だが、今回の前川証言に対する安倍首相はじめ官邸の焦りと怒りは凄まじいものだ。安倍首相は昨晩、赤坂の日本料理店「古母里」でテレビ朝日の早河洋会長と篠塚浩報道局長と会食。報道局長まで呼びつけていることからも、報道に対する牽制があったことはあきらかだ。

 剥き出しの圧力をかけられたテレ朝だが、しかし、今朝の『羽鳥慎一モーニングショー』では、「週刊文春」に掲載された前川証言と、「週刊新潮」の報道を取り上げた。

 番組ではまず、前川氏の「出会い系バー通い」を紹介した上で、「週刊新潮」による「官邸は前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させた」「“報復”するとともに口封じに動いた」という内容に踏み込んだ。司会の羽鳥が「これはどうなんですか?」と尋ねると、ゲスト出演したテレ朝の細川隆三・政治部デスクは歯切れ悪くこのように述べた。

「官邸にはいろんな人がいて、この問題にふれるととにかくカリカリしちゃって、興奮する方もいらっしゃるし、逆にこの問題は触ってはいかんと、触らないようにシカトしようとする人もいますし、とにかくこれは内閣の問題じゃなくて個人の問題、とんでもない人がやっているんですよとさらけ出すのがいいんじゃないかっていう人もいるんです」

「官邸による報復なのか?」という羽鳥の問いに対する答えにまったくなっていないが、いかに官邸が記者にプレッシャーをかけているのかが垣間見えるコメントではあるだろう。

 だが、ここでレギュラーコメンテーターの玉川徹が、読売新聞の報道に言及。「現役の官僚でもない前の事務次官の、違法でもない話を一面にもってくるバリューが、加計学園にかかわらないんだとしたらどこにあるのか」「ものすごく疑問」と言い、こう畳みかけた。

「安倍総理は自分が語る代わりに『読売新聞を熟読してくれ』っていう関係ですしね。やっぱり権力に対して批判的な目を向けるっていうのがジャーナリズムだと私はずっと思っていままで仕事してきたんですけど、こういう一連の読売新聞のあり方って、政治部的な感覚から見て、細川さん、これどうなんですかね?」

 ごくごく真っ当な指摘だが、これに細川政治部デスクは「いや、だから、(読売の今回の報道は)めずらしいですよね」と返すのが精一杯。だが、テレ朝は『モーニングショー』だけではなく、『ワイド!スクランブル』でも番組トップと第2部で報道し、前川氏の下半身スキャンダルについて“官邸のイメージ操作では”と言及。前川証言と下半身スキャンダルという“両論併記”の報道ながら、しかも総理直々に“圧力”がくわえられたなかで、官邸の読売を使った報復と、読売の姿勢に論及した点は、勇気あるものだったと言えるだろう。

 また、朝の『とくダネ!』と昼の『バイキング』では前川証言を無視したフジテレビも、『直撃LIVE グッディ!』ではしっかり取り上げた。

 しかも、菅義偉官房長官が会見で「(前川氏は)地位に恋々としがみついていた」などと人格攻撃したことに対し、ゲストの「尾木ママ」こと尾木直樹は「ぼくら教育関係者はみなさん信頼しているし、絶大な人気者。気さくで威張らないし、官僚的ではない。慕っている人も多いですね」と反論。元文科省官僚である寺脇研も「(菅官房長官の言葉とは)全然別の話を省内で聞いている。『みんな残って下さい』と下の者は思っていたけど、(前川氏は)『自分は最高責任者として全責任は自分にあるんだから辞めなくちゃいけない』と言っていた」「(前川氏が)辞めた日、省内には涙を流した者も相当数いたみたいですね」と、菅義偉官房の発言は官邸お得意の印象操作である見方を示した。

 さらに、『グッディ!』でも、一連の文書の出所が前川氏だと官邸が睨み、出会い系バー通い報道をリークしたとする「週刊新潮」の記事にふれ、問題の出会い系バーを取材。だが、コメンテーターの編集者・軍地彩弓は「(前川氏は)脇が甘いと言われてもしょうがないけど、人格否定と今回のことを一緒にするのはやめてほしい。わたしたちが見てても、この話がくることによって撹乱されているように思っちゃうので、分けて話をしたい」と指摘。尾木も「(出会い系バー通いは)まずかった」としながらも、「このことで文書の問題をチャラにしてほしくない。分けて考えないと」と語った。MCの安藤優子も「前川さんの人間性と証言の信憑性を混同させようという動きがあるが、別の話」と番組冒頭から、何度も繰り返していた。

 このように、官邸から恫喝を受けながら踏ん張ったメディアがある一方、露骨に避けた番組もある。たとえば、すでに前川氏にインタビューを行い、本日夜の『NEWS23』でその模様を流す予定のTBSは、朝の『あさチャン!』や昼前の『JNNニュース』で「怪文書じゃない」という前川氏の証言映像を大きく取り上げたが、『ビビット』ではほんのわずかでスタジオ受けもなく終了。『ひるおび!』でも11時台の新聞チェックのコーナーで扱っただけだった。

また、NHK日本テレビも露骨だ。朝のニュース・情報番組では前述したTBSの『あさチャン』のほか、『グッド!モーニング』(テレ朝)『めざましテレビ』(フジテレビ)も朝日新聞を紹介するかたちで前川氏の証言を取り上げたが、NHK『おはよう日本』と日テレの『ZIP!』は一切ふれず。NHKは12時からのニュースで、国会で松野博一文科相が「すでに辞職した方の発言なので、コメントする立場にない」と答弁したことをさらっと伝えたのみで、日テレも『スッキリ!!』では無視、昼前の『NNNストレイトニュース』と『情報ライブ ミヤネ屋』のニュース枠で少しふれただけだ。

 いや、露骨といえば、ご存じ“安倍政権応援団”である田崎史郎の解説だろう。昨晩の『ユアタイム』(フジ)に出演した田崎は、前川氏について「“ミスター文科省”と表現するけど官邸の見方はまったく違っていて、“最悪の次官だった”っていう認識なんですよ」と前川氏をバッシング。挙げ句、「文書を持ち出したとしたら、これ自体が国家公務員違法になるんじゃないかと言う方もいて。当面無視していくスタンスですね」と、またも官邸の方針を垂れ流した。この詭弁には、番組キャスターの市川紗椰も呆れ果てたように「え、無視って後ろ向きの態度を取られると、やっぱり何かあるんじゃないかなと思いますし、政府から調査するべきだと思うんですけどね」とコメント。田崎はやや狼狽えつつも、「文科省の役人が勝手につくったメモ」と断言したのだった。

 官邸の恫喝に負けなかったメディアと、官邸の言いなりになったメディアが鮮明になった、今回の前川証言。しかし、きょうの報道だけで、加計学園問題は終わりではない。本日夕方16時より前川氏が記者会見を行い、証人喚問の要請があれば応じる意志を表明した。安倍政権の「行政文書じゃない」などというごまかしで済まされる話ではない。政権の下部組織と化したNHKと読売系以外のマスコミには、官邸の圧力に負けることなくさらなる追及を期待したい。

(以上、RITERAより転載 了)

2017年5月10日 (水)

憲法70年 安倍政権の改憲論議

憲法70年 安倍政権の改憲論議=倉重篤郎(編集編成局)

 

憲法施行70周年の記念式であいさつする安倍晋三首相。登壇者は(左から)寺田逸郎・最高裁長官、大島理森・衆院議長、伊達忠一・参院議長=東京都千代田区の憲政記念館で4月26日、中村藍撮影

    「木を見て森を見ず」の愚

     日本国憲法といえば、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義が三大原則だ。数十年前に私たちが義務教育で何度も教え込まれたことだし、いまだに教科書にはそう書いてある。国会論議でも、思想信条に関わりなく三大原則を否定する者はいない。「この三つの普遍的価値を心に刻み、新しい時代の……」。安倍晋三首相も4月26日の憲法施行70周年記念式でこう強調した。改憲論者の常とう句である。

         だが待てよ、である。安倍政権の約4年半を振り返ると、この三大原則が心に刻まれているとはとても思えない。

        闊達な論争消滅、国民主権空洞化

         まずは国民主権である。

         憲法前文で「ここに主権が国民に存することを」高らかに宣言しているが、その精神が尊重されているや否や。

         どうしても特定秘密保護法と、組織犯罪処罰法への「共謀罪」の新設がちらつく。前者は、安全保障上の理由から国家公務員の機密管理を厳罰強化(2014年12月施行)したものだが、記者としてはあれ以来お役人の取材がしにくくなったことを正直に打ち明けたい。15年末で443件が特定秘密に指定された。4割は文書ではなく役人の記憶や知識などだというが、これによって国民が知るべき情報を届けられぬことを恐れる。

         後者は、テロ摘発を理由にした治安立法だ。実行行為がない段階でその準備行為をも捜査対象とする。政権はこの国会で強行成立させる腹だが市民活動萎縮の懸念が残る。

         いずれも、憲法前文の宣言に背く。多様で正確な情報入手と、それに基づいた自由な言論、社会、政治活動こそ、国民の主権行使の内実を構成するものであるからだ。

         前文はまた主権の行使を「国民の代表者」、つまり代議制によりなすべし、としているが、こちらも安倍政権下の与党内ではお寒い状況だ。代議制とは多様な意見を議員が代弁し幅広い世論を国政に反映させる制度だが、その命ともいえる自由闊達(かったつ)な論争が永田町から姿を消した。安倍氏の人事権、公認権による報復を恐れ「物言えば唇寒し」的言論自粛中である。時として執行部批判が吹き荒れ、自由で民主的な政党としての健全性の証しにもなっていた自民党総務会も今や見る影もない。

         上記いずれも国民主権の空洞化を物語る証左である。

        将来世代に残す二つの負の遺産

         基本的人権も気になる。

         現役世代だけでなく「永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」(第11条)とされ、法の下の平等として「経済的に差別されない」(第14条)と規定している。

         この観点からすると、アベノミクスは、未来の人々に対しとんでもない経済差別を押し付け、彼らの基本的人権を毀損(きそん)しようとしている。というのも、アベノミクスとは異次元金融緩和による経済行為前倒しと、財政出動強化による将来世代へのつけ回しで、現役世代への成長利得を最優先させる政策であるからだ。

         実際に株高、円安効果で現役世代の一部は利を得た。だが、将来世代には二つの負の遺産が残された。一つは行き過ぎた金融緩和、財政出動の代償としての身の丈を超えた借金である。その残高は国内総生産(GDP)比250%(16年度)で、独68%、米国108%と比べ突出している。問題は、借金のかたである国債を日銀が爆買いし、財政破綻隠しに手を貸していることだ。その額は420兆円、GDPの8割で、10割に迫る。先進各国中央銀行の2~3割と比べどうみても持続不能である。出口として予測される国債暴落、超インフレもまた将来世代へのつけ回しだ。

         もう一つは、アベノミクスのエンジンをふかすことを理由に、税と社会保障の一体改革に関する与野党合意を破棄、消費増税を2度も先送りしたことである。ポピュリズムが横行する中、民主党政権が党分裂という代償を払って作り上げた現役世代に負担を求める画期的な政策合意だった。増税をめぐる死屍(しし)累々の政治史を見てきた者としては、将来世代の人権に配意した憲法精神に背く罪深い所業と断罪したい。

         平和主義については武器輸出三原則の緩和(14年4月)、新安保法制の制定(16年3月施行)、沖縄・辺野古新基地の建設(4月25日埋め立て開始)という現政権の一連の仕事の中に非戦を核とする憲法精神との背理を見て取れる。

         特に安保法制における集団的自衛権行使容認は憲法解釈上なお法的安定性に欠け、米艦防護や対米兵たん支援を拡大した措置(重要影響事態法)は、自衛隊を戦闘に巻き込む可能性を高めている。今回の北朝鮮危機が格好の例だ。戦争放棄をうたった9条の規範力は、抑止力という名の戦争力強化を重視する安倍式積極的平和主義とは相いれない。

         繰り返すまでもないが、三原則は、憲法の核心部分である。最重要なルールの違反常習者に他のルール改定を議論する資格はあるのだろうか。

         憲法を森に例えてみよう。三原則はその基本を構成しそれを養成する土と水と空気のようなものである。それなくしては森は生き残れない。最近その土壌の質が落ち、雨水が枯れ、大気が汚染されてきた。その時にどうすべきか。「緊急事態」「地方分権」という個々の木々をどう手直しするか、もいいが、森全体の命に関わる議論が足りない。

    (以上、毎日新聞より転載 了)

    <教育無償化>自民が変節 旧民主党政権時「バラマキ」批判

    <教育無償化>自民が変節 旧民主党政権時「バラマキ」批判

    毎日新聞 5/10(水) 8:00配信    

     安倍晋三首相は自民党総裁として唐突に示した憲法改正提案で、9条への自衛隊明記とともに高等教育までの無償化に前向きな姿勢を示している。ところが、同党は旧民主党政権の高校授業料無償化を「理念なき選挙目当てのバラマキ」と批判し、その文言は今も公式ホームページ内にしっかり残っている。いったい整合性はどうなっているのか。

    【動画】安倍首相「改憲20年施行を」ビデオメッセージ

     現行憲法は26条で義務教育(小中学校)の無償化をうたう。安倍首相は改憲提案で「高等教育も」と無償範囲の拡大をにおわせた。高等教育は大学・短大などを指している。背景には、同趣旨の改憲案を唱える日本維新の会を抱き込む狙いがあるとも言われる。

     だが、首相の改憲提案を巡る9日までの国会審議は荒れ、議論は深まらない。首相が民進党の質問に「(自民党総裁としての考えを述べた)読売新聞を熟読したらいい」などと述べ、詳しい言及を避けているためだ。

     そもそも自民党は教育について逆の主張を展開してきた。

     谷垣禎一総裁らの野党時代、旧民主政権が2010年にスタートさせた公立高校授業料無償化に対して、子ども手当▽高速道路無料化▽(農家への)戸別所得補償--と合わせて、頭文字を取り「バラマキ4K政策」と批判。「将来の子供たちにツケを回している」「財政破綻国家に転落する」と訴えていた。

     自民党の公式HPには、当時の主張が今も掲載されている。政権奪還後の14年には、高校授業料無償化に所得制限を設けて内容を後退させた。

     ◆

     実は安倍首相は今年1月、国会での施政方針演説でも「憲法が普通教育の無償化を定め、義務教育制度がスタートした。高等教育も全ての国民に真に開かれたものでなければならない」と述べた。今回これを改憲テーマの一つに格上げした格好だ。しかし、その理由についてはビデオメッセージで「(憲法施行から)70年の時を経て、社会も経済も大きく変化した」と語るのみで、これまでの党の主張との整合性には何の言及もない。

     憲法学者で首都大東京教授の木村草太さんは「教育の無償化を掲げるなら民進党(旧民主党)にわびを入れるべきだ」と言う。その上で「改憲しなくてもできるし、改憲だとかえって時間がかかり、社会状況への柔軟な対応も難しくなる。日本維新の会の教育無償化法案に乗るなど、まずは法律での対応を模索するのが合理的だ」と指摘する。

     ちなみに、憲法改正の是非を問う国民投票は、衆院法制局の試算で1回で約850億円かかるとも言われている。木村さんの主張は「不要な改憲で国民投票をするくらいなら、そのお金を教育無償化の財源に回した方がいい」と論旨明快だ。

     政治アナリストの伊藤惇夫さんも「野党時代の主張を説明もなく覆すのは、まさにご都合主義だ」とあきれている。改憲提案の示し方についても「首相は改憲派集会にビデオメッセージを寄せたり、読売新聞のインタビューに応じたりしただけで国民に向けて直接語っていない。野党時代の主張との整合性も含め、まずきちんと説明すべきだ」と注文をつけた。【福永方人】

    (以上、毎日新聞より転載 了)

     

    2017年5月 9日 (火)

    議会制民主主義を否定する安倍首相

    安倍首相「読売新聞熟読して」 不適切発言たしなめられる                

                                                      
                                                                      

                                                                                                                                                         安倍晋三首相は8日の衆院予算委員会で、民進党の長妻昭元厚生労働相から、自衛隊を国防軍と位置付けた2012年の自民党改憲草案は取り下げるのかと追及され「党総裁としての考え方は読売新聞に書いてある。それを熟読していただきたい」と答弁した。

     国会軽視とも受け取られかねない発言に、野党は反発。浜田靖一委員長(自民党)も「不適切なので気を付けていただきたい」と首相をたしなめた。また、首相は憲法9条への自衛隊明記などを掲げた自らの発言を踏まえ、党内議論を促進させるよう期待を示した。「党総裁として発言をしたわけだから、しっかりと党内で議論をしていただければと思う」と述べた。
                                                         

                
                                         

                    [ 2017年5月9日 05:30 ]

    (スポニチより転載 了)

    たとえば学校の先生が「授業で教えたいことは教科書に書いてあるから、授業中は教科書を読んでいればいい」って言ったら、それでいいのか。それを授業と呼べるのか。

    そういうことだ。

    安倍氏のこの発言は、だったら国会で質疑なんていらないではないかと言っているようなもので、国会軽視どころか国会の否定、議会制民主主義の否定ではないか。

    それにしても、読売新聞は本当に安倍氏公認の政府広報になったんだなと思わされた発言でもあった。

    政府広報をお金を出してまで読む価値がどこにあるのか。

    読売さん、安倍さんに政府広報って「お墨付き」をもらって嬉しいですか?

     

    2017年4月27日 (木)

    今村「前」復興大臣、人としてどうなのか

    大震災「東北で良かった」今村大臣“失言”総理謝罪

    テレビ朝日系(ANN) 4/25(火) 18:56配信

     今村復興大臣がまたも不適切発言です。

     今村復興大臣:「(社会的資本の毀損も)25兆円という数字もあります。これは、まだ東北で、あっちの方だったからよかった。これがもっと首都圏に近かったりすると、莫大(ばくだい)な、甚大な額になったと思う」
     今村大臣は、自らが所属する派閥のパーティーの講演で、東日本大震災の被害についてこのように発言しました。今村大臣は、直後に「首都直下地震に、守りを固めなければという趣旨だった」としたうえで、発言を撤回し、謝罪しました。直後にあいさつに立った安倍総理大臣も謝罪をしましたが、今村大臣を巡っては、福島の原発事故による自主避難者について「自己責任」と発言したことが問題になり、撤回・謝罪したばかりでした。
    (以上、転載了)
    今村前復興大臣の発言、いや暴言をテレビで知って、自民党の体質そのものではないかと思いました。
    今村氏のこの暴言の前や直後の釈明を聞くと、震災による経済的損失の話をして、(経済的損失が首都圏で震災が起きた場合に比べては少ない)東北でよかった、首都圏ならばもっと損害が大きいと本人は言いたかったのでしょうか。
    でも、経済的損失の大小で、東北でよかったとはならないのです。
    被災者にとっては、震災で家や土地、職、財産を失った人も多いのです。まして、命をなくした方も多いのです。
    それを首都圏で震災が起きた想定での経済的被害額や被災者数に比べること自体がおかしいとしか言いようがありません。
    そもそも復興大臣の職とは東日本大震災の被災地の復興、被災者の支援です。
    なんで東日本大震災を引き合いに出して、首都圏での震災の話になるのか、全くもって意味不明です。
    街頭のインタビューで高校生くらいの女の子が、当時の今村復興大臣について、
    「人としてどうかしていると思う」と。
    まさにその通りです。

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