介護・福祉・老い

2017年1月30日 (月)

介護福祉士ピンチ…養成校入学、定員の5割切る

介護福祉士ピンチ…養成校入学、定員の5割切る

読売新聞 1/30(月) 7:12配信    

 介護職場で中核的な役割を担う「介護福祉士」を養成する全国の大学や専門学校などで2016年度、定員に対する入学者の割合が約46%だったことがわかった。

 定員割れは、データのある06年度以降11年連続で、50%を割り込んだのは2度目。定員枠自体が減少傾向にあるなかでの入学者割合の低下には、重労働の割に賃金が低い処遇が影響しているとみられる。

 調査は公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」(東京)が毎年度、厚生労働相が指定する全ての介護福祉士養成施設に実施している。16年度の定員枠が約1万6700人(377校)だったのに対し、入学者数は06年度以降最低の約7700人だった。

 定員数や入学者数は減少傾向が続いている。06年度は定員が約2万6800人(409校)、入学者数が約1万9200人だった。これと比べ、16年度は定員で約1万100人、入学者で約1万1500人少ない。

(以上、読売新聞より転載 了)

介護職に就いて、精神的にも肉体的にも大変で責任の重い職業であるにもかかわらず、収入はその勤務実態に沿っていない。

このブログで以前にも書いたが、介護職も保育職もボランティアでやっているのではないということだ。

2016年4月26日 (火)

発達障害者「配慮を」=避難所入れず物資困窮―家族ら、無理解を痛感・熊本地震

発達障害者「配慮を」=避難所入れず物資困窮―家族ら、無理解を痛感・熊本地震 
熊本地震では、自閉症など発達障害を持つ子供やその家族の多くが、トラブルを恐れて避難所に入れず、車や自宅での生活を強いられている。行列に長時間並べず、食料や水の配給すら受けられない人も。東日本大震災で同様の問題が多発したため、厚生労働省などは必要な対応をパンフレットにまとめたが、教訓が生かされたとは言い難い。

 被災による環境変化に対応できない発達障害の人は、共同生活になじめずパニックを起こしたり、大声を上げたりすることがある。制止や叱責が混乱を助長する場合もあり、周囲の理解と支援が必要だ。

 「『物資が欲しければ避難所に入ればいい』と門前払いされた。入れないから苦しんでいるのに」。発達障害の息子(15)がいる熊本市の岡田丈二さん(50)は悔しそうにつぶやいた。16日未明の本震でライフラインが止まったが、地震におびえ落ち着きをなくした息子を見ると、周囲への迷惑が不安で避難所に行けなかった。

 自宅の備蓄が底を尽き、助けを求めた避難所で掛けられたのは「一人一つ、平等なので欲しければ並んでください」という言葉。息子連れで長時間並ぶのは不可能で、手ぶらで自宅に戻った。

 同じ境遇の人から相談を受けた古木満雄さん(63)は、発達障害を持つ次男を施設に預けて支援に奔走。同市の支援センターに掛け合い、何とか回してもらった物資を障害者のいる家庭に配った。センターもそこで問題に気付き、ようやく21日に物資を受け取れない人向けの配給を始めた。

 「誰も避難できず、じっと我慢していた」と振り返る古木さん。避難所でパンフレットを見せて説明しても取り合ってもらえず、「普段以上に理解のなさを痛感した」と話した。

 「張り詰めた中で問題を起こせば地域に住めなくなる。避難所に入れない自分たちはどこにいけばいいのか」と話すのは、自閉症の娘を持つ益城町の玉作恵子さん(58)。過去の台風や防災訓練でも全く対応がなく、「高齢者らと同じ配慮の目を少しでも向けてほしい」と訴えた。 

(以上、2016年4月26日付時事通信より転載了)

この記事のカテゴリーを何にしようかと考えました。今までつくったカテゴリーのなかでしっくりするものが見当たらず、最初は「生き方」というカテゴリーで設定しようとしました。

でも、その後、「介護・福祉・老い」というカテゴリーに入れました。

それでも、内心はしっくりきません。いずれ関連の記事が増えてきたら、新たなカテゴリーを設けたいと思います。

2016年3月 3日 (木)

行政に介護する人の大変さは伝わらないのですか。

認知症になった高齢の男性が線路に入り込み亡くなったことで、その事故の賠償責任をJR東海は、男性の妻と息子に求めたことで裁判になりました。
結果、最高裁は亡くなった男性の家族の責任を問わないと判決を出しました。
認知症になる人が増える今、早急に、国は、認知症の人の家族が事故を起こしたときの賠償をすることなく済むよう国が国費で保険制度をつくらなくてはならないと思います。
そんな民間の保険に任せることではありません。そうでないと、保険に入るのを忘れたり、保険料を納められない家族の賠償を自己負担にすることになるのですから。
認知症の高齢者の介護をされている家族は多いと思います。
そもそも認知症でなくても介護は大変です。
行政が率先して、介護する家族の負担を少しでも緩和し、介護をする家族らを支援する必要があります。
この記事を書こうとしたら、私のブログに、以下のようなコメントが寄せられました。
コメントありがとうございました。
コメントをくださった方が特定されたり不利になったりすることがないと判断して、いただいたコメントを全文転載させていただきます。
兄弟も無く結婚も出来ないまま ひとりで介護を続けた両親が亡くなった。 悲しむ時間も無いまま都営に住む私の現状はご指摘の状況そのままだ。 どうしたら良いかまったく分からない。。。 60には届かず、若くも無い、とても中途半端な年齢だ。 遺品整理、職探し、住む場所の確保・・・ 相談する者も無く、気力の持続が出来ない状況では 六ヶ月はあまりに短い・・・
(以上、転載了)
都営住宅では、親の介護していても、その家族が60歳に達していないと、親が亡くなると、原則6か月以内に家を明け渡さなくてはなりません。
この規則はあまりにも無情だと思います。
介護のために、職も、収入も、結婚も、自分のことを犠牲にして、介護をしてきたのに、その後は、「介護の役割が終わったら出て行って」では。
親が亡くなって6か月で何ができますか。
新しい仕事を見つけ、新しい住処を見つける……。そんな簡単なことですか。
そして、その前に家族の悲しみや苦しみが癒えることもなく。
悲しみや苦しみに打ちひしがれ、立ちすくんでいる人に「出て行って」と言い放つ行政はまさに「鬼」ではないですか。
親が亡くなるのを待って、すぐに職や住処を探せる人がだれだけいるのでしょうか。
そもそも新たな職も住処も見つけることは難しいです。
ここでは東京都の行政はどこまで理解しているのですか。
血も涙もないとはこのことです。

2015年12月21日 (月)

投身自殺見て「自分の番はいつ」、遺骨抱え公園生活-介護離職で貧困

(ブルームバーグ): 2009年の秋、高野昭博さん(60)は目の 前で顔見知りの女性が電車に飛び込み自殺する現場に遭遇した。頭をよ ぎったのは「自分の順番はいつ来るだろうか」ということだった。高野 さんは川口市内の公園でホームレスとして暮らしていた。   

父親の介護のため45歳で仕事を辞めたときは「何とかなるだろ う」と思っていた。当時の年収は1000万円超で貯金もあった。父を見送 り、病弱な母を介護しながら再就職した先は倒産したり給料の不払いが あったりで、「止まらない滑り台に乗ったかのように」生活は苦しくな った。9年後、母の葬儀で貯金は尽き、高野さんは右手に遺骨、左手に 母の可愛がっていた猫を抱え、30年住んだ家を出て公園に向かった。   

「介護だけはちゃんとしたいと思った」-。最初の仕事を辞 めた経緯を高野さんは振り返る。月200時間の残業をしていたため上司 と相談して2カ月の休職願いを出した。業務上の理由で週に1度会社に 顔を出すと「まだ辞めてないのか」という雰囲気になり、やがて自分の デスクもなくなっていた。「自分で結論を出さなければ」という思いで 辞表を出した。   

国内で介護のために離職する人は毎年10万人に上り、その多 くが再就職ができないまま身内の介護に追われている。13年の統計によ ると、65歳以上の高齢者は総人口の4人に1人を占めており、35年には 3人に1人に増加する。08年をピークに人口が減少し始めており、増加 する高齢者の子や孫が介護離職を強いられることは経済規模の縮小を招 くと懸念されている。   

安倍晋三首相は今秋、経済成長を裏打ちするためのアベノミ クスの新たな「三本の矢」を発表。少子高齢化が進む中、若者、高齢 者、障害者も活躍できる「1億総活躍社会」を掲げ、介護離職者をゼロ にすると述べた。特別養護老人ホームの入居待機者は現在約52万人。安 倍首相は20年までに新たに50万人分を整備する方針だ。  

 「政府は介護離職の裏側にある深刻さが分かっていない」 -。

生活困窮者を支援する特定非営利法人ほっとプラスの藤田孝典代表 は、介護施設や介護要員を増やせば解決する表層的な問題ではないと異 議を唱える。長時間労働や賃金の在り方、非正規雇用や保育の問題など が複雑に絡み合っており、社会の在り方を根本から考え直す必要がある と述べた。   

総務省統計によると、15歳以上で介護をしているのは約557万 人で、うち約266万人が給与を得られる仕事に就いていない。英調査会社キャピタルエコノミクスは、安倍首相の介護施設増設による労働力増 加効果は年間0.2%と予想している。 普通の人が転落する

  年間300人が相談に訪れる「ほっとプラス」の藤田孝典代表 は、活動を始めた12年前は日雇い労働者など貯蓄できなかった人の相談 が多かったのに対し、ここ数年は元銀行員や元公務員など比較的裕福に 暮らしていた人が相談に来るという。   

ゆとりある老後を想定して定年退職したが、本人や伴侶の病 気で高額医療費が必要となるケース、子供がうつ病になったりワーキン グプアで親の年金に頼るケース、また、熟年離婚で年金を折半したもの の生活水準を変えられなかったケースなど、「普通に暮らしていた人が たった一つの想定外で簡単に貧困に陥ってしまう」のが現状だと藤田代 表はいう。   65歳以上の高齢者の単独世帯は1986年に128万人だったの が、13年は573万人に増加している。うち8割は女性の単独世帯。高齢 者世帯の90%が1世帯当たりの平均所得金額(約537万円)を下回る収 入で暮らしている。

介護離職防止の難しさ  

 政府の緊急対策では介護と仕事の両立について、地域支援セ ンターのケアマネジャー(介護支援専門員)が助言できる体制を整え、 職場では対象家族1人につき93日取得できる介護休業を分割取得できる よう制度の見直しを検討している。   

介護に直面する家族などにアドバイスをするワーク&ケアバ ランス研究所の和気美枝氏は、介護離職防止には制度利用の浸透が鍵と なるという。働き手が自分の人生よりも家族を優先して介護を始めて1 年以内に仕事を辞めてしまうケースが後を絶たないのが現実で、どこま でケアマネジャーに頼れて、何を相談してよいかも分からない介護者が 非常に多いという。   

出産や育児休暇と違い、介護はいつまで続くか分からない。 休業制度は「仕事を続けながら介護ができる環境を整える手続きに使う べき」だが、実際は休業制度を親の病院送迎に使って日数が足りなくな ったり、「看取りに備えて取っておこう」と我慢したりで、効率的に利 用されていないという。

「国だけでなく、企業も介護者も皆が理解でき る形にならなければ、介護離職を防ぐことは難しい」と和気氏は感じて いる。 困った人が助けてと言える社会   

高野さんはホームレースになって4か月後、公園を訪れた貧 困支援団体に声をかけられ、生活保護を受けられることを知った。当時 は税金の滞納の過去があるから生活保護は受けられないと思い込んでい たという。生活保護と住宅手当を受け始めると苦しいながらも生活でき るようになり、今は貧困支援団体で職を得て同じように苦しむ人たちの 相談に乗っている。生活保護の受給は終了した。  

 「貧困状態に陥ると目先しか見えなくなる」と高野さんは語 り、本当に助けを必要としている人に情報が行き届いていない現状を指 摘した。ホームレスまで経験した立場から、「困った人が助けてと言え る社会にする」ため、「どうか現場を把握してください」という思いだ という。

記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 萩原ゆき yhagiwara1@bloomberg.net; 東京 Isabel Reynolds ireynolds1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Chua Kong Ho kchua6@bloomberg.net 浅井秀樹, 中川寛之

(以上、転載了)

2015年12月10日 (木)

精神障害の長女を殺害した父親に長男「よく我慢してきた」

精神障害の長女を殺害した父親に長男「よく我慢してきた」
週刊女性PRIME 12月8日(火)11時0分配信  
精神障害の長女を殺害した父親に長男「よく我慢してきた」 精神障害の長女を殺害した父親に長男「よく我慢してきた」  
今年2月14日、和歌山市内の自宅で精神障害のあった長女(41)を殺害し、7月に懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を受けたAさん(81)。  
長女は20歳ころから引きこもるようになり、家庭内暴力を繰り返すように。そして2001年、長女は自己中心的で暴言や暴力行為など他罰的症状を伴う「強迫性神経症」と診断された。  入院させられた娘は日記に《生きていることがつらい。誰も私の心をわかってくれない。弱い所をみせられるのは家族だけです》と書いた。  
退院後はまた暴れだし、入退院を繰り返した。明確に精神病とされないケースがいちばん難しい。長女は自分の「異常性」を認識しており、病気を治そうと専門書を何冊も買い込んでいたという。
「暴力から逃れるため車で寝泊まりしました。ワンルームの部屋を借りて妻を避難させたこともあります。長女は車に飛び込もうとしたり、部屋で首つり自殺を図りました。娘の首に巻きついていたベルトを必死にはずしました」  
家じゅうの壁は穴だらけ。長女は「暴力が悪いのはわかっている。朝、目が覚めるのが怖い」と言った。  
暴力はさらにエスカレートした。包丁の先を丸くし、危ないものは隠した。間質性肺炎を患う妻は怖がって布団から出られなくなった。長女にひとり暮らしをさせてもアパートを壊して帰ってくる。
村井さんは「ついに終着が来ました」と、ひと息おいた。
「その夜、長女は“早く新しい部屋を借りろ!”と布団にくるまる妻を激しく叩きました。私は、妻のこたつの修繕のために買った電気コードで後ろから首を絞めました」  
心の中で「ごめん」と叫んだ。小柄な長女の背中が丸くなり動きが止まる。妻が息子に連絡し、重体で病院に運ばれた長女は翌日、死亡した。
「駆けつけた長男は最初“世間に顔向けできない”となじりましたが、すぐ“親父、よく我慢してきたな”と言い、みんな泣きました。拘置所で同房だった男に“殺人は許せん”と言われてつらかった」  
長女は優しい子だった。
「音楽が好きで私の耳にイヤホンを差し“いっぺん聴いてみて。きれいな曲やろ”とリチャード・クレーマン(クレイダーマン)のピアノ曲を聴かせてくれました」  
石油会社を定年まで勤め上げたAさんに弁当を作ってくれた。
「お父ちゃん、肩たたいてやろうか」といたわってくれることもあった。淡々と話すAさんが嗚咽したのは次の言葉を発した時だ。
「娘は妻に似て、色白のきれいな肌でした。事件直前、“お母ちゃんからもらった肌を大事にせんとあかん”と娘のほおを撫でました。その感触は今も残っています」  
落ち着いていた娘が豹変し、事件に至ったのは、その数時間後だった。
「検察官は妻に“いちばん苦しんでいたのは娘さん自身じゃないですか”と言った。やれることはやったと思っていましたが、足りなかったと感じました。天国で娘が“お父ちゃん、私、生きたかった”と言っているんです。いちばん苦しんでいたのは自分やない。殺してしまった娘やった。何が足りなかったのか」  
Aさんは、こう話した。 「残された人生を同じような悩みを持つ家族のために捧げたい」
<取材・文/ジャーナリスト・粟野仁雄さん>
(以上、週刊女性PRIMEより転載。ただし、このブログに転載するにあたり実名を出してもいいのかわからなかったので、Aさんとしました)

2015年10月22日 (木)

老衰死が増加 胃ろう等延命治療を選択しないスタイル広がる

老衰死が増加 胃ろう等延命治療を選択しないスタイル広がる

2015年10月22日(木)11時0分配信 NEWSポストセブン

 近年、「老衰」で死ぬ人は増加している。1938年の9万8451人をピークに老衰による死者の数は減少を続けていたが、2000年に2万1213人で底を打った後、大幅な増加に転じ、昨年は戦後最高の7万5340人を記録した(厚労省『人口動態調査』)。この10数年でおよそ3.5倍に増加したことになる。

 その背景には自ら進んで「老衰死」を求める、という考え方が浸透しはじめている面もある。というのも、点滴や胃ろう(栄養などの摂取のために腹部に手術で穴をあけ、胃に直接チューブを入れて流動食を流し込む方法)などの延命治療を行なうと「老衰死」に至らないケースが少なくないのだ。
 
「栄養の摂取は可能になる反面、そもそも身体が受けつけにくくなっているので体内に流し込んだ流動食などが逆流し、肺水腫などを引き起こして亡くなる人がいらっしゃいます」(世田谷区の特別養護老人ホーム「芦花ホーム」の石飛幸三医師)
 
 延命治療を選択しないスタイルが広がっていることが、老衰死増加の背景にあると考えられるのだ。
 
 今年2月、千葉県が行なった『終末期医療のあり方について』という県民アンケートでは、延命治療について、9割以上が「望まない」「どちらかというと望まない」と回答している。

 では老衰死するためには、自分の中で「延命治療はいらない」と決めておくだけでいいのかといえば、そんなことはない。仮にがんなどの大病を患わなかったとしても、延命治療は本人ではなく家族の希望で行なうことがほとんどだからだ。子供は、親に少しでも長生きしてほしいものである。

 石飛医師も入居者の家族から、「老衰死が自然の摂理であると頭では理解できるけど、感情として受け入れられない。病院で胃ろうをつけてでも、もう少し生き続けてほしい」と懇願されることもあるという。この場合は、延命治療を選択することになる。

 また、家族間の意見が食い違うこともある。

 91歳のAさんは脳梗塞で倒れた後、「入院したくない」という本人の希望もあって老人ホームで暮らしていた。食べられなくなった食事も介護職員の援助で少しずつ戻っていたが、誤嚥(食べ物などが誤って喉頭と気管に入ってしまうこと)をきっかけに状態が悪化した。

 Aさんにずっと付き添っていた長女らは「最後までこの施設で過ごさせてあげたい」と望んだが、仕事の都合で遠方に住む長男が、病状の悪化を受けて実家に戻ると状況が一変した。それまで一切、姿を見せなかった長男が「何もせずに死なせられない」と主張し、Aさんを病院に入院させて延命治療をさせたのだ。石飛医師が語る。

「その後、入院先でAさんは亡くなりました。親の死という特別な場面では、家族の間でも考えが食い違うのが現実です。本当は大往生のはずなのに、家族は“何もしないでそのまま逝かせるのは我慢できない”と思いがちです」

 身内の死を受けとめる家族が複雑な思いを抱える一方で、高齢者は「あぁ、やっと死ねる」と考える人が少なくないという。

「人生、やることはやった」という充足感から自ら老衰死を求めるのだ。

※週刊ポスト2015年10月30日号

(以上、転載了)

2015年10月10日 (土)

「中年フリーター」のあまりにも残酷な現実

「中年フリーター」のあまりにも残酷な現実

東洋経済オンライン 10月10日(土)6時0分配信    

 アルバイト、パート、派遣、請負など非正規労働者の増加が止まらない。平成元年(1989年)に817万人で全体の約2割だった非正規労働者は2014年に1962万人まで増加。全体の37%と4割近くに迫っている。今や労働者の実に3人に1人が非正規だ。

【グラフあり】右肩上がりで増える中年フリーター

 中でもこれから深刻な問題として顕在化してくるのが「中年フリーター」の問題だ。その中心は1990年代半ばから2000年代半ばに新卒として社会に出た「就職氷河期世代」の非正規労働者だ。氷河期最初の世代はすでに40代に突入。年齢的に正社員に就くのが困難であるだけでなく、体力の衰えとともに働けなくなってくる。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの尾畠未輝研究員の試算によると、35~54歳の非正規(女性は既婚者を除く)の数は2000年から増加、直近では273万人に上る。

■ 親のためにUターンも派遣社員を転々

 「本当は正社員として働きたかった。安定した生活が保障された中で、自分の人生を設計したかったです。振り落とされないように必死になって、社会にしがみついている状態です」

 兵庫県に暮らすAさん(42)は就職氷河期世代。工業高校を卒業後、大手流通企業に正社員として就職したものの、家庭の事情から非正規労働者になり、職を転々。今はセールなどの掘り出し物を見つけてはネットオークションで売りさばき、生計を立てている。

 Aさんの人生が狂いだしたのは1996年、23歳のとき。母親の面倒を見るために兵庫に帰郷し、派遣会社社員として大手メーカーの系列会社で働き出した。

 最初の派遣先は半年ごとの更新だったが、わずか1年で雇い止め。Aさんは実家を離れて近隣県に「出稼ぎ派遣」に行く。仕事の内容はガラス工場のオペレーターだった。ただ3カ月で雇い止めに遭い、実家へ出戻り。近所の食品会社工場の契約社員になった。それも2年後に過労で辞職。しばらく休養した後、別の派遣会社に登録し、再び大手メーカー系列の会社で仕事した。

 正社員を募集していた職場では、次々に落とされた。「社員にならないか?」と誘う企業がなかったわけではない。リフォーム会社の訪問販売で給与は出来高制。ネットで調べてみると、“ブラック企業”だった。

結局、阪神大震災の翌年である1996年から約10年間で、派遣や契約社員、嘱託などの非正規待遇で10社ほど渡り歩いた。時給はだいたい900~1200円だった。

 さらにAさんを苦しめたのが2006年のライブドアショック。少ない資産を少しでも増やそうと株式投資をしていたが、裏目に出てしまった。これを機に残った株をすべて処分。現在は前述のようにネットオークションで生計を立てるようになった。

 「地元で面接受けられる会社はすべて行ってしまっていたので、事実上、就職できなくなった。車の免許を持っていないので、遠くに行くこともできない」

■ 人手不足でも正社員の求人は少ない

 オークションの1カ月の利益は「生活保護費の少し上くらい」と多くはない。母親と2人で住む公営住宅の家賃が安いから何とか成り立っているのだ。「今怖いのは、親が急に死ぬこと。公営住宅では配偶者であればそのまま住めますが、子どもが単身になると生活保護受給者や障害者以外は退去を求められる。もしそうなった場合は貯金をすべてはたいて、安い住宅でも買わないとやっていけなくなるかもしれない」

 足元では景気回復に伴って人手不足が叫ばれている。それに合わせて大きく期待されているのが非正規の正社員化だ。確かに8月の有効求人倍率(季節調整済み)は1.23倍と23年ぶりの高い水準だ。

 ただし正社員に限ってみると有効求人倍率は0.76倍と1倍を下回る。回復傾向にあるとはいえ、求人数が求職者数より少ない状況はいまだ変わらない。ずっと非正規で専門的なスキルも経験もない人になれば、なおさらハードルが高くなる。         

 中年フリーターの「下流化」は今後ますます加速する。非正規の平均月収は約20万円。体力のある若いときは低賃金でも仕事の掛け持ちなど量でカバーすることができたかもしれないが、それができなくなってくる。

 貯蓄も少ない。連合総研「非正規労働者の働き方・意識に関する実態調査」によると、非正規が主たる稼ぎ手となっている世帯のうち「貯蓄なし」が28.2%、「100万円未満」の世帯も26.6%に上る。

 また社会保険の加入率が低いのも特徴だ。厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査報告」によると、雇用保険の加入率は65.2%(正社員99.5%)、健康保険52.8%(同99.5%)、厚生年金51.0%(同99.5%)と正社員を大きく下回る。

■ 企業のコスト削減が社会の負担に

 病気などで働けなくなり、社会保険などのセーフティネットからもこぼれ落ちると、最後に頼れるセーフティネットは生活保護しかない。生活保護受給者は7月時点で216万人と過去最多を更新。それに匹敵する中年フリーター273万人が生活保護予備軍として存在しているといっても過言ではない。

 厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、非正規を活用する理由について「賃金の節約のため」と回答した企業が4割超と最多。企業が非正規を活用してコスト削減した分が、将来的に行政の負担として跳ね返ってくるようにも映る。

 Aさんのように親元で暮らしているから生計を維持できている人も少なくないだろう。親の高齢化するとそれが難しくなるのは必至。それどころか親の介護が必要になってくる。また自らの老後にも不安を残す。国民年金のみの場合、満額で6.5万円。保険料未納の期間があると受け取る額は減る。老後は今以上に厳しい生活になってしまうのだ。

 低い賃金、不安定な雇用、教育訓練機会の乏しさ……。非正規をめぐる問題は以前から指摘されてきたことだ。これまでにも氷河期世代をはじめとした若いフリーター層に対する就労支援も行われてきた。だが目立った成果が上がらないまま、中年フリーターたちは年齢を重ねてきた。これからますます苦しい立場に追い込まれていく中年フリーターをどうサポートするのか。手を打たなければ事態が悪化していくことだけは確かだ。

ジャーナリスト:池上正樹、週刊東洋経済編集部

2015年10月 1日 (木)

人よりも施設優先…安倍首相「介護離職者ゼロ」の言行不一致

人よりも施設優先…安倍首相「介護離職者ゼロ」の言行不一致

2015年9月29日(火)9時26分配信 日刊ゲンダイ

   やはり庶民生活をちっとも理解していないボンボンである。24日の会見で、「介護(するための)離職(者)ゼロの旗を掲げたい」と威張っていた安倍首相のことだ。  

親などの介護のために仕事を辞める「介護離職者」は年間10万人前後。安倍首相はこの“打開策”として特別養護老人ホーム(特養)を増やそうという。厚労省によると、特養の利用者は現在、約54万人。さらに入居待機者は約52万人いる。今後、団塊世代の高齢化でさらに利用者、待機者とも増える見通しなのだが、安倍首相が言うように「施設を増やせばメデタシ」で済む問題じゃない。何より、肝心要の特養の現場がすでに疲弊しきっているからだ。  

東京商工リサーチによると、1~8月の介護サービス事業者の倒産件数は55件。わずか8カ月間で昨年の倒産件数54件を超え、00年に新しい介護保険制度が始まって以来、最多記録を更新した。 「4月に介護報酬が引き下げられたことが影響したのでしょう。介護職員の給料は下がる一方で、辞めた人は他業種に流れてしまっている。特に新規参入の小さな施設の倒産が目立ちます。さらに8月に一部利用者の自己負担を2割増やしたことで、介護施設の利用者が減る可能性も高い。倒産はさらに加速するとみられています」(介護業界関係者)  

全国介護者支援協議会理事長の上原喜光氏はこう言う。 「安倍首相は介護の現場をよく分かっていない。まずは、施設整備を急ぐよりも、人材の流出を防ぐため、報酬の引き上げなどが先です。そうでないと、いくら施設を増やしても人手が足りない。それに利用者が多い都市部で特養をつくるには、多額の経費がかかるなど問題点も多い。小手先ばかりのパフォーマンスでは、何も解決しません」  

しょせんは介護の「か」の字も知らないインチキ政治家なのである。

(以上、転載了)

介護事業者の深刻さ

介護事業者倒産が過去最多…報酬引き下げ影響か

読売新聞 10月1日(木)10時42分配信    

 信用調査会社の東京商工リサーチが30日、今年1~8月の介護事業者の倒産が55件に上り、過去最多だった昨年の年間倒産件数(54件)を上回ったと発表した。

 4月から介護報酬が2・27%引き下げられたことや、景気回復による人手不足で人件費が上がっていることなどが影響しているとみられる。

 従業員が5人未満の小規模事業者が37件で、前年同期比で倍増。また、2010年以降に設立された比較的新しい事業者が29件に上り、全体の半数を超えた。介護事業は、高齢化の進展で産業として成長が見込まれており、異業種などから安易に参入したものの、経営に行き詰まるケースが目立つという。

 同社では「介護報酬の引き下げの影響が本格的に表れるのは秋以降とみられ、今後、さらに倒産が増える可能性がある」としている。

(以上、転載了)
2015年9月、安倍首相は「新3本の矢」なるものを出した。
その1つが介護離職ゼロを目指すとのこと。
介護の問題は本当に深刻である。
親や祖父母の介護をするために退職し、介護しながら出来る仕事に就く。
でも、収入が少ないから生活は不安定。
それで結婚も諦めた人も多いと聞く。
一方で、政府自民党の方針は自分の家族のことは自分たちで解決せよ。
自民党の憲法試案を見ると、それが分かる。
それでいながら「新3本の矢」で介護離職ゼロだと。
もう行き当たりばったりとしか言いようがない。その犠牲者が普通の国民であったり、介護事業者であったり、介護従事者であったりするのだ。

2015年1月20日 (火)

介護職の人手不足 その2

「低賃金→人手不足→過重労働」という悪循環・・・「介護労働」の現場はなぜ辛いのか                                 

                                    
「低賃金→人手不足→過重労働」という悪循環・・・「介護労働」の現場はなぜ辛いのか         
                     

「低賃金」「労働環境が過酷」などのイメージがつきまとう介護労働。そんな現場で働く人たちの労働上の悩みは深いようだ。弁護士らが電話相談を受け付ける「介護労働者ホットライン」にも、多数の相談が寄せられている。

昨年10月に初めて開設されたホットラインでは、「月給で手取り11万から12万」といった最低賃金を下回るような事例や、サービス残業や長時間労働、人手不足などの相談が次々と舞い込んだという。労働環境の過酷さが見えてきた。

電話相談ホットラインはさらに今年2月にも行われた。2回の相談から浮き彫りになった介護労働の実態と課題について、介護労働ホットライン実行委員会の共同代表を務める井堀哲弁護士に聞いた。

●長時間労働と過重労働の相談が多い

「介護労働者からの相談で特徴的なのは、長時間労働と人手不足による過重労働です」

井堀弁護士は相談内容を、このように振り返る。そこから垣間見えた介護労働者の実態は、どんなものだったのだろうか?

「たとえば、入浴食事介助などの業務が1日中、びっしり入っていて休憩がとれないといった相談がありました。また、事務処理量が多すぎるため、夜11時まで勤務しているのに残業代が出ないというケースもありました。

有給休暇を取ることができないという話も多かったですね。有給を取ろうとすると事業者が解雇をちらつかせる。あるいは、『休むには理由が必要だ』と逐一説明を求めるので、事実上、有給を取得できないというような内容です」

●夜間に1人で「利用者40人」をケアしているケースも

そんな状況は、労働法違反では?

「いずれも労基法違反です。特に深刻だと感じたのは、人手不足ゆえに夜間1人で多数の利用者をフォローしたり、日中との連続勤務で疲弊しているといった、過酷な夜間勤務の実態でした。中には夜間1人で利用者40人をケアしているという報告もありました」

それだと、労働者にとって問題なだけでなく、介護される方に対しても十分なケアができないように思える。どうしてそんなことになっているのだろうか?

「現在、介護の現場は、低賃金→人手不足→過重労働→高い離職率→専門性の欠如→低賃金という悪循環に陥っているのではないかと考えられます」

解決策はあるのだろうか?

「この連鎖を断ち切るには、低賃金の改善や、人員配置基準の見直しといった、大胆な施策を実施する必要があるでしょう。同時に、介護労働自体を、『素人でも出来る家事手伝い』といって軽んじる意識を改革しなければなりません。そのために、介護従事者の資格をよりオーソライズする仕組みも不可欠だと考えます」

今後、少子高齢化に伴って、介護が必要な人はどんどん増え、介護を担う働き手は減っていく。改革は待ったなしの状況にあるのかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

(以上、転載了)

解決策として、

「この連鎖を断ち切るには、低賃金の改善や、人員配置基準の見直しといった、大胆な施策を実施する必要があるでしょう。同時に、介護労働自体を、『素人でも出来る家事手伝い』といって軽んじる意識を改革しなければなりません。そのために、介護従事者の資格をよりオーソライズする仕組みも不可欠だと考えます」

とありますが、人員配置基準を見直しても、そこで働く職員を確保できなければ何もなりません。

そして、介護従事者の資格の取得の難易度を高めるほうが良いと言いたいのでしょう。でも、資格取得の難易度を上げれば、新たに資格を取得する人が減るはず。

給与が他の業種に比べて月平均10万円ほど低い現実からして、資格取得を難しくすればするほどなお更新たに介護職になる人が少なくなるのでしょう。

やはり高度のスキルが必要で、身心ともに過重な労働に見合う報酬をいかに国があてがうかが一番するべきではないでしょうか。

介護職の質を向上させようと、介護職に就きたい人を減らすような政策をとるのは矛盾としか言いようがありません。

介護職に就きたい人が増えない限り、資格の難易度を上げるなど意味をなしません。

「資格を取得するのは大変だけれど、この資格を持っていると生活が安定するから」という裏付けがなくてはならないということです。

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